竹製腕時計(私見)

2019年8月23日、河野外務大臣と一般人ユーザーによるやり取りがTwitter上で話題となった。

ちなみに本人同士のやり取り以上に、これをまとめてアップした第三者によるツイートの方が話題となっていたのでそちらもご紹介させていただく。

この騒動を多くの人が痛快なエピソードとして拡散しているようだが、何故これほど面白く感じるのであろうか。私見をまとめてみようと思う。

スカッとジャパンの法則

まず、一連の出来事の発端はS氏(一般人らしいので、本文中はS氏とさせていただく)が韓国外相と河野大臣が日韓外相会談で握手をした際の画像を見た際に、河野大臣の腕時計を「慎ましやかさがない」と批難したことである。

S氏は腕時計を金時計であると認識し、その上で批難を浴びせたのであるが、なんとそれは勘違い。河野大臣が付けていたのは2017年に記念式典で贈与された竹製の時計だったという顛末が河野大臣のツイートで明らかにされるのであった。

こういった勘違いによる批判や、見当違いな注意を受ける機会は普段の生活でもままあることだ。作成した資料の数値が違うと上司に注意を受けたが、実は上司が思い込んでいる数値が間違っていたり、学校で友人が持ってきた校則違反物(漫画等)を偶然持っていた故に教師に叱責されたりした経験があるという人は多いのではないだろうか。そして、そのような出来事の大半は言われた方が我慢してストレスを溜めるという結末に至る。

しかし、今回河野大臣は相手の勘違いを端的に指摘しているのだ。それも決して感情的にならず、多くを語らずスマートに。

河野大臣にそういった意図は決してないと思うが、彼の行動は理不尽な仕打ちでストレスを溜めている大衆にとっての意趣返しに置き換えられたのではないだろうか。

私個人は少なくとも、河野大臣の切り返しに面白さよりもスッキリ感を味わった(私の性格がよろしくないだけかもしれないが)。私は大抵、理不尽な言動に対して何かを言い返そうとしてもその後の関係性や周囲の目を気にして言い返せないか、言い返しても回りくどい表現を使ってしまい相手に真意が伝わらないかのどちらかである。

そういう意味で河野大臣のスッキリした言動は、この場面で最も有効な発言であったと言えるし、理想とする理不尽への切り返しを体現したものであったと言えるのではないだろうか。

S氏の小物感

さて、今回の出来事で竹製腕時計の次に注目を集めたのがS氏である。

このS氏に関してはインターネット上で既に色々と語られているのでここでは触れないでおこうと思う。彼の経歴や実績は関係のない事であるからだ。

さて、この手の炎上の発端になる人物は事態を鑑みて鍵アカウントになるか、謝罪するか、アカウント削除を行うかのいずれかになる傾向が高いのだが、S氏は下記のような対応に出た。

どちらが「恥の上塗り」なのか・・・個人的な感情で失礼。

勘違いを謝罪するわけでもなく、時計を制作している会社すら貶めるような発言をし、あまつさえ金を受け取ったに違いないと斜め上の憶測を述べるという予想をはるかに超えた小物ぶりを披露したのである。

礼節に関して述べるならば、自分が謝罪を行い礼節を全うすればいいのに・・・という感想もSNS上では見受けられた。

彼の対応は、自身の非を認めることが出来ない日和見な大人そのものという事もあって現在も炎上が収まっていない。

ちなみに腕時計をはめた状態での握手は失礼とS氏は力説しているが、手袋をはめたままでの握手はマナー違反というだけで、素手でなければならない=腕時計が右手なのが悪いという論調には無理がある。

つまり、彼の言動は自己正当化のための屁理屈に過ぎず、ここでも小物ぶりを如何なく発揮していると思われる。

ちなみに、河野大臣が腕時計を右手に着けていた件に関しては下記を参照。

更にS氏の指摘する広告塔云々についても、数年前にASEAN50周年式典で配られた記念品であると明言されている以上、どこの企業の広告というわけでもない只の言いがかりであることが伺える。

万が一、企業が明確であったとしてもそれを貶めている時点で、彼の言動は失礼に当たるものだが。

上記のようにS氏の徹底的な小物ぶりが炎上をさらに加速させ、河野大臣の指摘がより際立つことになったという事は明白だろう。

ある意味すっぱりとした負けっぷりが見られたことで、SNS上でこれほど話題になったのだと推察されるのであった。

【おまけ】皮膚が弱くても使いやすい時計たち

最後に図らずも今回の件で一躍話題となった竹製の時計。軽くてアトピーなどで皮膚が弱くても使いやすい素材、品もあるデザインで手に取りやすい価格帯ということがこの件で多く知られたようで、今後世の中に広がっていく事は間違いないであろう。

また、今回の件がきっかけで皮膚が弱い人も使いやすくおしゃれな時計たちがSNS上で様々紹介されているようだ。

かく言う私も皮膚が弱く、腕時計で何度かかぶれた経験を持つ為、今回の話題をきっかけに自分に合う素材の腕時計を探すこととなった。

私が世に対して無知であった事もあるが、ちょっとした騒動をきっかけに新しい世界を知ることが出来たと考えれば面白いものである。

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