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河がきこえる

とある地方に旅行に行った。
普段は東京で過ごしているが、たまに地方にいくと生活の違いを体感する。なんというか東京は良くも悪くも詰まっている。人が物が広告が。反対に地方にはそれらが詰まっていないと感じる。それは不便だと言われることが多い。
都市にあるもの、地方にあるもの。(もしくはないもの。)

僕は詰まり過ぎていない街で育った。
緩やかに流れる夕焼け色に染まった河、その河辺に友達と作った秘密基地、どの方向に顔を向けても視界に入る山々、時々出る人騒がせなイノシシ。
こういうのを原風景と呼ぶのだろうか。

故郷では、人や物や広告が詰まっていないから退屈していた。退屈から抜け出したいと思いながら過ごしていたら、気づけば東京に来ていた。
でも東京での退屈しない日々にふと疲れてしまう。そんなとき、なんとなくそういった原風景を思い出して癒される。あの河が心の疲れを洗い流してくれているのかもしれない。

こんなふうに原風景に助けられているなと、久しぶりにジブリ作品「海がきこえる」を見て気づいた。
舞台になっている高知には、住んだことも行ったこともない。にもかかわらず、描かれる街並みや人々を見ていると、自分の原風景を高解像度で思い出させてくれる。
見ると否応なくノスタルジックな気持ちになれる、とても好きな作品だ。

そういえば藤井風さんの「旅路」のPVを見た時も似たような感覚を覚えたなぁ。


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