見出し画像

涙という無防備な応答

気分の波に襲われて会社に行けなかった。休んだはいいけど、自分の音しかしない部屋では虚しさばかりが目についた。元気になると思ってビヨンセの新しいアルバムを流してみたけど、全然悲しいままだった。そんな時、連絡をとっていた友人たちが様子を察知して家まで来てくれることに。チャイムが鳴ってドアを開けて友人の顔が見えると涙が出た。大変だったね〜。そんな風に言われたかは覚えていないけど、大きなハグや背中をさする手の体温に安心して大人げなく声を出して泣いた。

この数ヶ月、環境の変化や新しい対人関係で不安が強まった。不安は焦りに変化して、焦りが不本意なコミニケーションを生んだ。こんなはずじゃないのに、と思いながら自己嫌悪だけが残る毎日。そんな辛気臭い話を友人は嫌な顔をせずに聞いてくれていた。僕の至らなさや話の矛盾に気がついても、そんなものはないかのように振る舞いながら。きっといろんなことを思っただろうに。本当にありがたい。

一通り喋ったあと、ひとりでいない方がいいなと思い、みんなが帰るタイミングで僕も実家に帰ることにした。机の上のゴミや溜まった洗い物は帰ってきた時に片付けようと思って放置をしていると、友人が「ひとりで帰ってきた時に部屋が汚かったら悲しくなるから、やっちゃおうか!」と一緒に掃除をしてくれた。今、ひとり片付いた部屋に帰ってきたところ。その時のことを思い出してまた涙が出た。

自分の部屋にしては綺麗なほうなんだ








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?