見出し画像

非農家のためのサル被害対策マニュアル

こんにちは。のらりです。

みなさんは、先日起こったこのニュースをご覧になりましたか?

サルの群れの近くに住んでいる僕にとって、このニュースは他人事ではありません。こういったことは日常茶飯時ですから。

今回は思考の整理のため、十年以上サルと共生する日々を送っている僕が心掛けている対策をまとめてみました。

結論


結論を書きますと、対策は以下の3つになります。

遭遇したときは、目を合わせずに立ち去り、役場や市役所などの行政に連絡する。

家の周りに、エサ場を作らない。

家に被害があった場合は、確定申告の雑損控除を使う。


サルの問題

サルと言われて、何を連想しますか?

テレビに出演するかわいらしいニホンザルかもしれません。

期待を裏切るかもしれませんが、野生のサルはあんなに上品ではないです。

腹をすかし、エサを求めている猛獣です。しかも、手先が器用で知能も高い。

こちらが素手の場合は、恐れるに足らずと威嚇する。

こちらが石を拾った場合、距離を取ります。武器をもったと認識するからです。

日中しか行動しないわけではなく、人気のない夜や明け方に畑やゴミ捨て場を荒らす。

去年、サルにきゅうりの畑が全滅させられた高齢者と会いました。夜の間に、きゅうりがかじられ、面白半分に苗が荒らされ、一年の苦労が台無しになったと肩を落としていました。

サルの脅威を知る人間にとって、サルは着ぐるみをかぶったチンピラのようなものです。

しかも、徒党を組んでギャング化しているチンピラです。

その存在だけでもおそろしいのに、サルには厄介な点があります。

それは人間の法律に守られていることです。


法律の問題

サルは鳥獣保護管理法で守られています。

資格を持っている猟師が行政に申請をしなければ、猿を傷つける行為や捕獲する行為は違法になります。

つまり向こうがいくら悪さをしても、こちらは相手をなるべく傷つけない方法で追い払わなければなりません。

夜討ち朝駆けで悪さをするサルを、なるべく傷つけずに追い返す。非常に難しい作業になります。
 
今回書いた対策は法律に触れない範囲で、一般人ができることです。

逆に言えば、一般人にはこれだけしかできないということになります。


対策

対策の前にやってはいけないことを書きます。

これらの行為をすると、被害に合う確率が高くなるので注意してください。


NG行為1 エサを与えてはいけない

食べ物がある場所に、サルは居つきます。

もし、あなたがサルにエサを与えた場合、その地域の人間に対する警戒心が薄れ、エサをくれる存在とみなすようになります

エサをくれる存在がいたら、サルはその地域に居つくようになります。居ついたサルは、人間にエサをねだるようになります。

サルは弱い女性や子供、高齢者を狙います。体格の良い男はあまり狙いません。
 
もし食べ物を持っていた場合、奪い取ろうとすることもあります。実際に、食べ物をもっている子供が襲われたというニュースもあります。

つまりmあなたがエサをやった場合、エサをやったあなただけではなく子供が襲われる可能性が増えるということです。

絶対にエサを与えないように注意してください。

NG行為2 目を合わせてはいけない

前述したとおり、野生のサルはチンピラのようなもの。

チンピラが目があったあわないで因縁をつけるように、サルも目が合っただけで威嚇します。このように。
 

遠くから目が合っただけ。僕がいなくなるまでずっとこの体勢でした。

この状態から更に近づくと襲いかかってくるので注意してください。


NG行為3 歯を見せてはいけない

歯をむき出しにするというのは、野生動物の間では、威嚇の意味をもちます。

歯を見せた瞬間、こちらに攻撃態勢に入ります。

特に子供のサルが近くにいる時は気をつけてください。

昔、僕はこれをして、親ザルに追いかけられたことがあります。



対策1 目を合わせずに立ち去る

前述のとおり、サルは目を合わせると威嚇します。しかし、スルーすると攻撃されません。

気にせず通り過ぎましょう。

食べ物を持っている場合は、バッグなどに隠してください。餌付けされたサルは、食べ物を見ると近づいてくるかもしれません。

そして、すみやかにその場を立ち去ってください。


対策2 行政に連絡する

法律上、専門家である猟師以外に何もできません。

昔は、陸上競技などで使用する大きな音を立てる火薬銃でも追い払えましたが、もう無理です。

大きな音を立てても、少し距離をとっておしまいです。

サルは、人間がサルを傷つけるような攻撃ができないとうすうす気づいているのではないかと思います。

なぜなら、以前なら石を投げるなどの行為で逃げていたサルは、一旦距離を取ったのちに威嚇するようになったからです。

個人が対応できる段階は過ぎました。僕らのような一般人は、行政に任せることしかできません。

行政は、その土地の猟師や猟友会に連絡を入れて、サルに対する対策を取ってくれます。

とはいえ、被害が甚大だと判断した場合以外は、大きな花火を使用しての追い払いだけで焼け石に水なのですが。


対策3 自宅周辺を整備する

サルはとても身が軽く、電柱を上り電線を伝って、屋根から屋根を移動します。

電柱以外にも、雨どいを伝ったり、周囲に高い木がある場合、そこから屋根に飛び乗ってくることもあります。

サルの集落が近くにある場合、それらは避けられません。



森から電線を伝ってくるサル。このまま近所の家の屋根に行きました。


 
電柱が近くにある場合、その電柱の所有権を持つ電力会社や通信会社に電話をすることで、電線に鳥よけの障害をつけてもらえます。その障害のおかげで、我が家の屋根に電線を伝ってサルが来ることはなくなりました。

電線を伝ってくるサルを見たら、電力会社に電話をしてみるのがいいでしょう。

電話する際は、くれぐれも喧嘩腰ではなく、サルの被害に対する対策を求めるようにしてください。たまに、クレームのようにかけてくる方がいるようです。

家庭菜園はやめた方がいいです。エサ場になるだけですから。

綺麗に咲いた花やつぼみでさえ、おやつとして食べるので、花を植えるのもやめたほうが無難です。

家の近くにサルが居つくと地獄です。朝は猿の奇声で目が覚め、日中は屋根の上で暴れ回り、夕方になってようやく帰っていく。そんな悪夢の日々が訪れることになります。

僕は一時期、ノイローゼになりかけました。


サルの被害は雑損控除が使える!

野生動物による被害は、雑損控除が使えます。

サルも当然例外ではありません。

屋根が傷ついた、瓦が割れた、雨樋が壊れた、そういった修理をした年の確定申告は、雑損控除を受けましょう。

ちなみに、火災保険は使えません。火災保険に入る際に、保険会社の人に聞いてみましたが、野生動物による被害には保険は適応されないと言われました。


終わりに

サルは年々増加しています。

それに比例して、これからも被害は増していくでしょう。

動物愛護の観点もあり、難しい判断をしなければならないと思いますが、行政にはぜひ対策をしていただきたいです。
 
それでは、読んでいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?