見出し画像

うつと付き合う日記95日目 普通に僕らはあこがれてしまうけど

 うつ病で苦しむ期間が長引くと、早く普通の生活に戻りたいと思うようになる。ここだけ聞くと前向きにみえるし、回復傾向にある様にも見える。この普通というものがなかなか曲者であることをこのツイートを見て考えてみた。

https://twitter.com/hossymemo/status/1296091932444090368?s=20

 考えてみると普通というのは定義が難しい。数字で表せるものならまだいいが、自炊がどれくらいできれば普通と言えるのか、仕事が楽しくてそればっかりやっている人は普通ではないのか。真面目に考えるとその定義があいまいなことに気が付く。

 では、うつ病の人の思い浮かべる普通を具体的に書いてみる。仕事をして自分の生活費を稼ぐ。朝起きていきなり死にたい気分にならない。何か行動を起こそうとしたときにすぐに行動できる。風呂に入るのが苦痛ではない。三食自炊できてちゃんと買い物もできる。などなど、自分が元気な時にはできていたことや、自分が元気になったらできると思う内容が並んでいく。

 しかし、これは世の中の普通かと言われると謎である。まず生活環境が人それぞれだ。実家暮らしをしている人もいれば、一人暮らしの人もいる。配偶者やパートナーの有無もある。家事が得意な人もいれば、そうでない人もいる。ここまでくるとわかるのだが、私たちが想像する普通は、自分のうつ病が軽くなったらこうなればいいなという願望であり、実際の多くの人の営みの平均ではないのだ。そして、実際の営みには多様な環境や変数があって平均化できるものはない。

 とはいえ、我々うつ病を抱えている人たちは普通と今の自分の生活のギャップに悩む。もっとこうできればいいのに、普通の人ならこんなこと簡単にやれるはずなのにと思い悩む。自分が治った想像図と今の自分とを比べても仕方ないのに、どうして俺は普通のことができないんだと勝手に悩んでしまう。

 じゃあどうすればいいのだろう。普通と自分が勝手に思っているものが、回復した自分のイメージであることを理解することが大事だと思う。それは世の中の人とは関係なく、将来的に自分がこうなればいいなという理想だ。当然求められるレベルも高いし、今はできないことも多い。それを理解したうえで、自分の思う普通と今の自分の間にどんなギャップがあるのか、それはどうすれば埋められるのかを冷静に見る必要がある。その時、一足飛びに普通にたどり着こうとせず、自分の思う普通の1割ぐらいからスタートするのがいいと思う。できなくても気にしない、うまくいったら思いっきりほめるのを忘れてはいけない。それは自分が成長している時なのだから。

 マネタイズをしています。投げ銭方式です。有料部分はありません。役に立ったなと思ったら応援をお願いします。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?