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#183 白木蓮




何かが上手くいかない時は
歌が生まれる時だと気付いた
誰かが悲しくならないと
答えが出ないなんて
僕は納得いかない

あの歌を作ったあの人は
其れ程までに苦しんだのだろう
綺麗で咲き続けていれば
それだけで美しいと
僕は思うけれど

塞ぎ込んで悩んだ先に
いつも答えがあったけれど
それはいつになっても
慣れることはない苦しみと共にあって
途方も無く思って、空を見る


深緑のレンズ越しに見切れた
枝の上の白い花が
いつにも増して、青に映える
君も、忙しない日々の中に
埋もれてしまったのだろうか
届くのかわからない便りを
微かに気にして過ごすよ
心、一つだけを持って。


何気無く咲いた花が綺麗な時は
歌が生まれる時が多かった
誰かが微笑むその先に
未来がある事を
僕は知っている
この歌を作った歌い人も
どうか幸せでありますように
綺麗で咲き続けているのは
とても苦しい事だと
僕は思うんだ。


どうしようもなくて歌った先に
いつも出口があったけれど
それはいつになっても
消える事のない悲しみと共にあって
憂鬱になりそうになって、
見上げた先の空


丸みを帯びたレンズで切り取った
頭上に広がる白色が
そよぐ葉の緑色(りょくしょく)に混ざる
君も、心在りながら日々候ふ
どうかそうであって欲しいと
知っている限りの面影を
そっと包んでおくんだ
思いは一途を辿って


道端に佇む白木蓮に触れて
光る日々を涼む
揺れる木陰に君を想って
また、白んだアスファルトに踏み出す
小さくても、耳を澄ませて
いつかまた会える


深緑のレンズ越しに見切れた
枝の上の白い花が
いつにも増して、青に映える
君も、忙しない日々の中に
埋もれてしまったのだろうか
届くのかわからない便りを
微かに気にして過ごすよ
心、一つだけを持って


目を閉じて、少しだけ
立ち止まって
今見えるのは、白い花
強くなれたかな
もう笑えるよ
聞こえますか?
5月の風



Lyrics by.  Tanuma Yuruto
2017.05.07



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