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TFCC損傷マネジメント ①機能と構造

臨床でTFCC損傷の方を担当させていただく機会があり、改めて手関節周りの複雑な解剖学と運動学への理解が大切だと感じました。機能&構造の話や評価法・リハビリテーションなど、日常生活からスポーツ復帰へ向けたマネジメント戦略をまとめました。

① 構造を理解する

まずは、TFCCの構造についてです。

TFCC とは、

Triangular Fibrocartilage Complex:三角線維軟骨複合体 のことを言います。

構成要素 > 

▪ 関節円板
▪ メニスカス類似体
▪ 三角靭帯
▪ 掌側尺骨手根靭帯(尺骨三角靭帯 & 尺骨月状骨靭帯)
▪ 橈尺靭帯(掌側 & 背側)
▪ 尺側側副靭帯
▪ 尺側手根伸筋腱腱鞘
▪ 尺側関節包

② 機能を理解する

TFCCの機能は、大きく3つあります。

1. 遠位橈尺関節の安定性の維持

TFCC、骨間膜、方形回内筋により安定性が維持されている。

2. 橈骨手根関節の尺側支持機構

TFCCのなかでも尺側手根伸筋の腱鞘は、手根骨と尺骨間を結ぶ強靭な繊維で、橈側の橈骨手根靭帯に相当する。

3. 手関節尺側における力の伝達・吸収・分散

荷重(CKC)の80~85%は橈骨を通じて伝達されるが、尺側の力の伝達はTFCCが担う。

まとめ

・ TFCC は三角線維軟骨複合体という複雑な構造を持つ。

・ 3つの機能( 1. 遠位橈尺関節の安定性の維持、2. 橈骨手根関節の尺側支持機構、3. 手関節尺側における力の伝達・吸収・分散 )を持つ。

上記を理解することが、TFCC損傷のマネジメントを行う上で必要不可欠だと思います。

次回は、手関節の機能についてまとめていきたいと思います。

ご一読くださり、ありがとうございました。

2020.11.15 

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