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キャリア開発室という聖域・奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢

ソニーのリストラにあった人々のルポタージュ。エンジニアという変人達こそが本質であったソニーの栄光は肥大化していき、「あなたの仕事はありません」とコストカットをどんどんと迫られていくおじさんになるのがちょっと怖くなる作品。

人員整理する側も人員整理の対象になるかもしれないという処刑執行人の憂鬱であったり、自ら追い出し部屋行きを希望する人間などリストラに纏わるヒューマンドラマというか、色々な受け止め方が整理解雇という数字だけでは表現できない濃厚な世界が存在する。

出社したフリをして公園に通うクビリーマンのように、ソニーに勤めているが誰にも言わずに追い出し部屋に通い詰める人はかなりの哀愁。創業者名義の「morita akio」なる内部告発的なツイッターアカウントに纏わる話は興味深過ぎるし、2024年現在でも元気にソニー批判を行なっている点もちょっと感動する。

ぶっちゃけ終身雇用に固執することもなく大転職時代に自分は生きていると思っているので、大企業に固執してズルズルと無用人となる人生はなんだかなあと思う。これもまだ自分が若く戦力として通用してるからこそ言えちゃう青い発言なのかもしれない。人は労働しなくても意外に死なない。

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