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世界に誇る台湾のガラスリサイクル技術

先日大学院のフィールドトリップにて とても興味深い体験をしたので、是非紹介させてください。

ガラスリサイクル会社「春池玻璃」

訪れたのは新竹にある「春池玻璃」というガラスのリサイクル会社。
こちらでは 回収されたガラスをリサイクルし、ガラス作品や建築資材を製作しており、その行程を見学することが出来ました。
所長自らお話いただいた中で、面白かった点を一部ご紹介!

  • 実はガラスは何度でもリサイクルできる

  • 台湾は土地が少ないため、資源を大切に最大限利用する必要がある

  • 台湾のガラスリサイクル率は世界2位(1位はスウェーデン)

  • 実は最も利益率が低いリサイクル素材はガラスである

  • ガラスをリサイクルすると二酸化炭素排出量を1/3も減らせる

  • この工場ではガラスの種類に合わせ 最も適した再利用をしている

他にも沢山話いただき、循環型経済の実践例を学ぶことができました。
実際のガラス素材や、製作炉での作品製作作業も見学。
その中でも特に目を引いたのは、ガラス製防音防火素材
こちらの工場で作られた新しい建築素材です。

ガラスリサイクル業界の革命児

台湾のガラスリサイクル業界に革命をもたらしたガラス製防音素材。
その特徴は大きく分けて4つあります。

① 軽量
ガラス製防音防火素材の重さはコンクリートの10分の1。
軽くて扱いやすいため、建築作業のスピードアップに貢献。

② 防火性
何とガラスを溶かす温度 (750℃) の炎を当てても問題なし。
実際にバーナーで炎を当て、ガラスを溶かしながら、炎の当たっている部分の真裏を触っても、それ以外の部分と何ら変わらないのです。

③ 防音性
楽器の練習室や音楽室などにぴったりの防音性。
実際に音楽を流しているスピーカーをこちらの素材で覆うと しっかり音量が減りました。

④ リサイクル可能
単価は高いですが、実際に家の建築に使用した場合、合計金額はレンガより安く済みます。何よりリサイクルできるという優れもの。

コンクリートと発泡スチロールを足して二で割ったような見た目なので(?)
初見ではガラス製とは全く分かりませんでした。
ガラスを粉末にしたものから作られるこちらの素材。
触った感触はテトラポッドに似ていました。

循環し続けるよう、働き続ける

危険で厳しいガラスのリサイクル作業。
それでも春池玻璃が働き続けるのは、循環型経済を実現するため。
ガラスは何度でも素材として蘇る。そしてその蘇らせ方は多種多様。
そこに革命児として現れたガラス製防音防火素材。
まさにこれからの台湾の循環型経済の一翼を担うパイオニアです。
環境問題解決への糸口となるこの技術が、世界へと輸出される日が早く来ることを願っています。


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