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「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」とNASDAQ100のリターンはだいたい同じだった

日興アセットマネジメント社が、2024年5月16日より「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」(以下TrSP10)という投資信託を新規設定するそうです。

「Tracers S&P500 トップ10インデックス(米国株式)」の設定について

S&P500の(浮動株調整後)時価総額上位10銘柄ということで、構成銘柄にはMicrosoft, Apple, NVIDIAなど、いわゆるMagnificent 7と呼ばれる銘柄たちが並びます。

巷で人気の「iFreeNEXT FANG+インデックス(FANG+)」や「一歩先いく US テックトップ20(一歩テック)」と構成銘柄が大きく被ることになりますので、どれを選べばいいのか気になるところですよね。

しかしどうやらこのTrSP10、純粋なリターンを見てみると大体NASDAQ100と同じくらいだったようです。



SP10指数のリターン

TrSP10のベンチマークの運用成績は以下で公表されています。
S&P 500 トップ 10 指数 (TTM) (円建て)

このページを基にすると、2024年5月1日基準での過去のトータルリターンは以下のようになります。

SP10指数のトータルリターン(2024/05/01基準)

NASDAQ100投信とのリターン比較

この値を5年以上運用されている投資信託であり、構成銘柄がSP10と被る「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」と比較してみます。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス (みんかぶ)

すると・・・

SP10とiFree NEXT NASDAQ100のトータルリターン比較(2024/05/01基準)

だいたい同じか、SP10がちょっと良いくらいでした。

実際にTrSP10という投資信託として運用される場合には、信託報酬に隠れコストを加えた運用コストがかかってきます。そのため、TrSP10とNASDAQ100投信との差はもう少し縮まってきます。

このため、近5年においては、TrSP10とNASDAQ100投資信託のリターンはだいたい同じくらいの成績だったと推定できる、と言えるでしょう。

結果考察

自分が最初抱いていた印象としては、「NASDAQ100よりSP10の方が全然アウトパフォームするじゃろ!ビッグテック最強!💪💪」と思っていましたが、意外にもそうはなっていないという結果になりました。

この結果の見方としては、「SP10に採用される大柄銘柄のリターンに、NASDAQ100も引っ張られていて、大体同じになるのかなあ」(故にどっちを選んでも別にいいかなあ)というのが私の考えです。

https://www.slickcharts.com/nasdaq100 によれば、SP10の構成銘柄のNASDAQ100における比率は2024年5月現在で約4割程度を占めます。そのため、SP10のリーダー銘柄群のパフォーマンス次第で、NASDAQ100も大方のトレンドが決定されると言えます。

中小型株優位の相場であればNASDAQ100の方がリターンが高くなり、ビックテック優位であればSP10の方がリターンが上になる・・・ということになりますが、将来は分かりませんので、分散を取るか集中を取るか、ここは本当に好みの問題になってくると思います。

また、TrSP10にはNASDAQ100だけでなく「FANG+」や「一歩テック」のような競合商品も存在します。それぞれ、インデックスの構成方法や分散度合い、過去実績に基づくリターンの期待値が違います。インフルエンサーの情報を鵜呑みにするのではなく、自分で情報を比較し商品を選定されるのがよいかと思います。

個人的には過去リターン重視、分散は20〜30銘柄以上はほしいと思っていますので、SP10のリターンと銘柄比率であれば一歩テックを選ぶかなあと思っていますが、申込み開始まで要検討ですね😅

今日はここまでです。参考になればマンモスうれピーです。それでは、アディオス✋


【追記】レバナスで有名な風丸さんがより詳細なリターン比較のグラフを作成されていました。同じく大体NASDAQ100と同程度という結果が得られたようです。なお、本文中に書きました通り、FANG+など特定の商品を推奨したいわけではありませんのでご注意ください。

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