大きなゴールと小さなゴール

おはようございます。たろうです。

寒波でさっむ寒いですねぇ。
けれども不思議と冬至が終わり年が明けると日差しに柔らかみが加わりませんか?毎年そう思うのですが職場の先輩に伝えたところ『?』と(笑)

金木犀や実家横の田んぼの稲刈り時期の香りや蛙の鳴き声、トンボの種類など...小さい頃に記憶されたものが今だにアンテナとして搭載されてます。

さて本題

パドックでジョッキーが騎乗しているときの鐙の長さに目が留まりました。めちゃくちゃ短い。このままパドック→馬道→本馬場入場→レースと微調整するジョッキーもいますが殆どこの長さのまま1つのレースを終えます。

競馬ライトファンの方にとって馬に乗ること=ジョッキーで常にこのイメージだと思います。美容室に行ったりして職業を聞かれた際に『馬に乗ってます』というと『中腰の姿勢でいると大変ですよね?!』とほぼ確実に言われます。おっさんになるにつれて億劫になって『腰きついですね~』って合わせたりしてしまいますが(笑)

乗り方は色々

左から障害馬術、馬場馬術そして右は競走馬(1歳)の騎乗馴致(breaking)中の様子です。鐙の長さについては障害馬術が最もジョッキーのスタイルに近いと思います。

右の騎乗馴致の様子はどうでしょうか。
ジョッキーと同じ競走馬に乗っていますが馬場馬術の鐙の長さに近いのが分かります。
『競走馬に乗っているのにジョッキーみたいじゃない』ですよね。

目的によって騎乗時のスタイルは変わります。
障害馬術では飛び越える動きに対応するため鐙は短めに、長ければお尻で馬の邪魔をしたり馬の素早い動きに遅れてしまいます。

馬場馬術では馬を大きくエネルギッシュに動かすことが求められます。馬の後肢を大きく動かして馬のバランスを起こし前肢の動きも派手に動かす(バイクのウイリー走行をイメージしてくださると良いかと...)ために馬の背中により深く股がり軸を長くして乗る(また書こうと思います)ようにします。

競走馬においては

速く走る馬に遅れないように付いていく為に鐙は短い方が合理的です。もし仮に馬場馬術の鐙の鐙でレースのスピードで走ると上体が取り残されることで遅れてしまい馬を邪魔しやすくなります。
ですので速いスピードで走る馬に付いていく為には鐙を短くしてジョッキーのように乗ることが理にかなっていると言えます。

しかし騎乗馴致や馬の調教の殆どは長い鐙で乗る時間になります。馬が暴れた際に対応出来るようにという理由もありますが、常歩をしたり、ゆっくりしたスピードで馬のウォーミングアップをしながら馬体の歪み、バランスの問題を解決したり、ブレーキなどの扶助を教える見た目には地味ですが大事な時間となります。

レース(騎手の鐙)で勝つ(大きなゴール)為に...

あらゆる競技での目的は基本的に『勝つこと』です。
ですが勝つために必要な前提条件は沢山あります。極端に言えばまずレースに参加できなければ勝てるはずがないのです。
馬も最初から人間が乗れる訳ではないので乗り物としてまずは乗れるように、そしてレースでの距離を走れるようにするために基礎体力をつけます。またレースのスピードでトレーニングを続ければ必ず怪我をしてゆっくり走れることも必要です。馬の能力が高くて速いスピードで走れたとしても最低限ブレーキが効かなければ集団で走るレースの展開に対応できないでしょう。(自動車レースではエンジンだけでなくブレーキの性能もとても優れています)

小さなゴールはたくさん

勝つという大きなゴールを迎えるためには辿り着かないといけない『小さなゴール』があります。どうしても馬術ならグランプリクラス、競馬ならG1を目にすることが多いのでどうしても忘れがちですが小さなゴールは常に目の前にあります。
目の前、鞍下の馬が怪我をした瞬間に小さなゴールすら遠ざかることをイメージすることができればより丁寧に注意深く接することが出来ますし、技術的な部分でもより細やかにそしてより良い方法を探し磨くでしょう。

騎手の鐙の長さ(レース)に辿り着きさらに勝つ(大きなゴール)ためにはその間に必用な小さなゴールをいかに多く設置して達成していけるか。それが大きなゴールに辿り着けるかどうかを分けるのだと思います。
騎手の方もレースで騎乗するために厳しいトレーニングを積んでますし、馬を準備する側として必ず乗りやすい馬を送り出せるよう努力したいですよね。

小さなゴールとして意識すべきだと思う具体的な部分や、鐙の長短についての自分なりの考察についてはテーマを分けてまた書いてみようと思います。

たろう。

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