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裏社長室(第17回配信)を見て、考えたこと、感じたこと。

ほぼ隔週水曜20時配信、緒乃ワサビさんの「裏社長室」(第17回)の感想等です。

善いとか悪いとか、そういうのは一切抜きにして、
「(作家は)下請です。下請というよりは、ビジネスパートナーなのかも。でも、それは出版社側が言いべきことですよね。企画を立てて、お金を集めて、商品として世に売り出すのは、出版社なんですから。」(大意)

商流から捉える作家の在り方、立ち位置、という観点は目からウロコでした。

伊達に、ご自身の有料コラムに「生存戦略」と冠しているだけあって、まだまだ事業規模としては大きいとはいえないラプラシアンという会社が、30年以上は続けていけるために、冷静にご自身の強みなり、進んで行きたい道に対して、日々洞察を重ねられているだけあるな、というか。

この(私には)新鮮味のある一言が聞けただけで、配信を視聴した価値があったというか。

やっぱりこれも、善いとか悪いとかでなく、「面白いのは出版社の人間じゃなくて、おれ(作家)なんだよ。」っていう作家の矜持は、かっこいいといえばかっこいいんですけどね。

どこまで行ったって、商流がどうであれ、「私の作るものについて他の誰よりも考えているのは、評論家気取りのうんこでは当然なく、熱心なお客様でもなく、自分自身なんですよ。」と、大阪時代のラーメン屋の大将が言ってました。作家だってそうでしょう。

「その意見を聞いてダメになった場合、無責任な第三者は責任をとらないでしょ、」と。

まあこのへんは、答えのない議論なんでしょうね。

ばかたれ、のくだりも昔は、出版社の編集や校閲校正部隊にも職人肌の人が山ほどいて、作家とバッチバチにやりあってたんだろうな。で、いいもん作れたらノーサイド。
時には子供の喧嘩レベルみたいなのもあったんでしょうけどね。

なんだか、妙に含蓄が富んでいる気がしたのはなぜだろう。終盤の20分だけでも、あらゆる社会人に見る価値があるんじゃないか、と思います。個人の中の、定期的な問題提起という点で。

          *

おでん、じゃなくてちくわについて。

「♪チビ太のおでん、チビ太のおでん、チビ太のおでんはサークルK♪」という歌、あれ、中京ローカルだったのですね。

33:00あたりで「チビ太のおでんはご存知?」という問いに緒乃さんはかぶりを振って否定しておられ、えっ!?と思いましたが、この曲のことはおそらくみなさんも、ご存知ないという…。

チビ太が持ってるおでんの正体より、そっちの方が衝撃でした。

というわけで、正解はコンニャク、ガンモ、ナルトです。ガンモはどうだったか記憶にありませんでしたが、ナルトっぽいものが刺さっていたことはよく覚えています。というのも、サークルKにはいつ行ってもナルトは無かった気がするので…。

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「G線上ヘヴンズドア」(日本橋ヨヲコ先生)という、漫画家を志す少年たちを主人公にした漫画が、20年以上前にありました。

「バクマン」のような、いわゆるお仕事モノとしての漫画モノ漫画とはまた違うジャンルの、言わば人の在り方としての漫画モノ漫画。

例の如く、あらすじを書くのは苦手なので思いっきり割愛しますが、超売れっ子漫画家・坂井大蔵の息子である町蔵君が、その出自にまつわる葛藤等を経て、漫画とは、創作とは、ということに関し本気で向き合っていくことで、本当に大切なものを見つけ出す、という成長譚です。

…我ながらびっくりするくらいあらすじ書きが下手すぎて、40を過ぎてなお己の国語能力に疑念を抱かざるを得ないのですが。
このあらすじを読んで作品本編を読んでみようと思う人がいるのでしょうか。

いや、それは全然構わないのですが、昨日の配信の終盤あたり(概ね50:00頃)など、クリエイターの人間性であったりがテーマに上ることがあると、この作品のことをまま思い出します。

本作のような漫画家とかクリエイターといった職種に限らず、「人と人が一緒に働くということって、結局どういうことなの?」ということに対する、ひとつの答えになっているかもしれません。

新年度ということで、この春、新たに社会人としての一歩を繰り出すという人もいるでしょう。
まあ、いろんな人はいますけど、「かわいそうな人」にはならないでくださいネ。

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それにしても、↑みたいなあらすじしか書けないのに、暑苦し過ぎる日本橋節にちょっと恥ずかしい気持ちにすらなるし、こんなご都合主義ねーよと鼻白むところもあるのに、それでも、いま改めて読んでも抜群に面白いなぁ、「G線上ヘヴンズドア」。総合的には70点でも、部分部分は100点を超えてくる。

若くてまだ技術の乏しい人(当時)が、それでも面白いと思うものを一人でも多くの人に届けたいという想いで全身全霊、漫画に向き合うと、こんな素敵な作品になるのだな、と。

いまの「少女ファイト」は日本橋先生の体調不良であったり掲載誌の廃刊があったり、気がつけば20年ほどの連載になりました。
漫画の作り方とかはすっごく上手くなりましたけど、やはり初期作品の鬼気迫る「読めよ!面白えから!」って迫力はすごかったなぁ(もう四半世紀前に一度お会いしたことがあり、とても可憐な方で、実際にはそんなことはおっしゃらないと思いますが。)。

今回はちょっと、タイトルにもある本来テーマと関係が希薄な話が多く、「ハズレ回かよ!」という感じですが、ご寛恕のほどを。

再来週の配信も楽しみにしています!

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