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【独立会計士のリアル#22】社外役員を複数社兼務してわかったこと

みなさん、こんにちは!フリーランス会計士のたろうです。

前回の記事でも社外役員について書かせていただいたのですが、今回も社外役員について、「社外役員を複数社兼務してわかったこと」というテーマでお話してみたいと思います。

最初の月は大変だった

タイトル通りなのですが、就任直後最初の月はやはり大変でした。
まずは会社を取り巻く環境や属する業界について勉強しないといけないですし、社内資料もリストアップしてご提出いただいて、目を通すのに相当な時間を費やしました。
幸い直接的にオンラインで質問させていただくような機会もいただきましたが、関与当初は準備にかなりの時間を費やす必要があるかと思います。

また、取締役会・監査役会にしても、まずは雰囲気や距離感を把握する必要があるので、最初はいろいろと気を使う場面も多いのではないかと思います。

逆に2か月目、3か月目と経つにつれて、少しずつ慣れてきた感覚はありますね。

社外役員を複数兼務してわかった3つのメリット

とはいえ、社外役員を複数社兼務し始めて思ったのは、メリットしかなかったということです。
ここでは3つに分けてお話しします。

第1に、シナジーが大きいということです。
具体的な内容に触れることは差し控えますが、「他社の取締役会でそういえばこういう議論があったよな」といった引き出しがあれば、「これをこの会社で議論する必要はないだろうか」というフラグが立ちます。
このフラグが立つか立たないかという点が結構重要で、フラグの数が多ければ多いほど、有意義な発言につながっていきます。
ですからシナジーがあることは、社外役員をしていく上で非常に大きなアセットになっています。

第2に、すごい方々に触れるチャンスが増えるということです。
どこの会社の取締役会を見ても、必ずと言っていいほど「あー、この人すごいなー」という方々がいます。
そうした方々を見ていてすごいなーと思うのは、自分にはないバックグラウンドや軸を持っていて、それらを生かしてズバッと的をつくような発言をされているからだと思います。
そういう多様なものの考え方・意見・話し方に触れることで、自分には足りないところや改善すべきポイントも見えてきます。
当然ながら、複数社に関与すればそれだけいろいろな方々と関わるチャンスが増えますので、そういう意味では非常に面白いところではないかと思います。

第3に、本業へのいい影響です。これは、直接的な影響と間接的な影響があると思います。

直接的な影響については、わかりやすいところでいえば、社外役員を務めることで見聞きした議論のポイント(たとえば収益認識基準など)が直接本業に役に立つようなことです。
また、「あの人は社外役員を複数社やっているんだから信頼できるだろう」というようなシグナル効果・宣伝効果も入口の段階で少なからずあると思います。

間接的な影響としては、社外役員を兼務すれば当然収入的にはかなり安定するので、本業において収益性を気にしなくてもよくなるというか、お金に関係なく自分の興味のあることや面白そうなことだけを追い求めていける状況が作り出せるようになりました。
言い換えれば、余裕をもって少し引いて見られる状態ともいうのでしょうか。
そうすると本業でもさらにエッジが立つようになるので、不思議と本業にも面白い動きが出てくるんですよね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

メリットばかりあげてしまいましたが、残念なことを一つあげるとすれば、今はコロナ禍で社外役員としてのミーティングは基本的にはオンラインであるため、取締役会・監査役会のメンバーに直接お会いする機会がほとんどない点でしょうか。
直接会えるようになることで得られるメリットもきっとあるんだとは思います。

今回の記事がなかなか見えずらい社外役員という仕事を知るうえで、少しでも参考になれば幸いです。

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