【独立会計士のリアル#20】独立後の非常勤監査バイトについて
こんにちは!フリーランス会計士のたろうです。
フリーランスの会計士として働くようになって6年以上に経ちますが、これまでは、非常勤の監査業務のアルバイトをしたことは一度もありませんでした。
監査をするくらいなら監査法人に残った方がいいじゃん、とこれまで思っていたので、ある意味、非常勤の監査を請けないことを誇りに思っていた部分もあったと思います。
ですが、このたび非常勤の監査をしないかというお誘いを受けたことをきっかけに、一度これまでの自分の考えをリセットしてゼロベースで考えてみることにして、結果的にはお受けしようという判断に至りました。
その意思決定に際しては、正直な話、いろいろな葛藤があったので、今回はその際の思考プロセスについて書いてみたいと思います。
「やってみてもいいのでは?」と思えたポイント
まずは、「やってみてもいいのでは?」と思えたポイントとしては、以下のようなものがありました。
(1)実務経験のアップデート
監査法人を出て以来、上場企業の法定監査から遠ざかっているので、そろそろ実務に携わることで得られるものがあるのではないか、という想いが出てきました。
(2)現在の業務とのシナジーが見込める
私が携わっていたころから監査実務も相当変わっていると思いますし、監査業務の中で得た経験は、たとえば別の会社で決算を作る側の業務をする場合にも、監査を受ける際に見られるポイントの把握という形で、シナジーとして生きてくるのではないかと思いました。
(3)新しいネットワークが得られるかも?
今回の仕事を通じてまた新しいネットワークが得られていく可能性もあると思っています。
(4)現在請けている業務とタイミング的にバッティングしない
時間的にバッティングすればそもそもこのお話を請ける余地はないのですが、この業務は少しずれたタイミングで来るので、対応が可能と判断しました。
(5)四半期ごとに発生する業務なので、収入の安定化に寄与する
これも当然ながらありますよね。
ただ、「やるべきではない」と思うポイントの2つ目にも逆説的なポイントも挙がっていますが・・・
「やるべきではない!」と思ったポイント
一方、「やるべきではない!」と思ったポイントとしては、以下のようなものがありました
(1)プライド的なもの
これは正直な話、一番大きかったです。
以下のような心の声が私の中にはありました。
こういう心の声は、率直に言って非常に大きかったです。
ここに対する自分なりの決着が、今回の意思決定に関する最大の課題だったかもしれません。
(2)守りに入ってしまうのではないか
請けようと思った理由の5つ目の逆接的なポイントですが、非常勤の監査業務である程度の収入が得られてしまうと、全体的に守りに入ってしまうリスクはあると思いました。
時間的にも空きのキャパが少なくなるので、面白そうな単発業務があったときに請けづらくなってしまうというデメリットもありそうかと思いました。
それでも「やってみよう!」に舵を切ったのは?
このようなメリット・デメリットが心の中でけんかをしていて、意思決定に際してはかなり葛藤があったのですが、それでもやってみようと思ったのは、デメリットの中でもプライドに関する部分が大きかったということが大きいと思います。
フリーランスとして働いていく以上、やはり自分も変わっていかなければいけない。
新しい何かをはじめるためには、自分の中の常識だったり固定観念だったり、そういうものをリセットする必要がある。
監査をやらなくなってからは、はや7年以上。
今回の件で受けるのをやめようと思う理由の大半がプライド的なものだとしたら、これを機に一回リセットしなければいけないタイミングなのかな、と思いました。
そういうわけで、7年以上離れていたわけですから、これまでのいろんなことはリセットして、新人になった気持ちで取り組もうと思っています。
その結果、新しい何かに出会えればいいかな、と今は思っています。
とはいえ、やるべきではないとするポイントの2つ目にも書いたように、今回の意思決定によって守りに入らないようにすることには、意識的に注意しないといけないかな、と思っています。
おわりに
以上、今回の非常勤監査のバイトをするかどうかの意思決定に関する心の葛藤プロセスを書いて見ました。
かなり正直に吐露してしまいましたが、フリーランスの会計士にもいろいろな心の中の葛藤はあったりして、その一例を今回はちらっとお見せした感じです。
それにしても、自分の中で出来上がっている常識や固定観念をいったん外すのって大変ですね。
今回の意思決定が結果的にいい方向にいけばいいな、と思います。
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