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娯楽か芸術か

〝映画〟と一口に言っても
さまざまなジャンルがあり
さまざまな歴史がある。

多くの作品がこれまでに誕生しては
多くの人間の人格やその人生に
影響を与えている
と言っても過言ではないだろう。

現に僕はその中の1人である。

映画を見ることで日本だけでなく
海外のさまざまな文化や価値観に
触れることができる。
国だけでなくそれはタイムスリップしたかのように
過去の世代の古い体制や旧来の倫理観・価値観
当時の人間の在り方さえも伝えてくれる。
それが今の常識と異なれば異なるほど
新鮮な衝撃となって返ってくる。
脚色された世界といえどきっとどこかで
起きたに違いない紛れもない現実として
受け入れることもできる。

映画というものは素晴らしい。
無限大だ。
僕の中では、人間の産んだ
最高の娯楽であり
最高の芸術という位置づけである。

しかし昨今こんな意見を耳にした。
それは著名な映画人たちが
MCU映画やスターウォーズなどの
映画シリーズを〝テーマパークだ〟と
揶揄するような記事だった。

補足するとMCUとは
マーベル・シネマティック・ユニバースの略で
多くのアメコミヒーローの実写シリーズ化が
大成功を博し、世界一売れている
映画シリーズと言われている。
それも近年さらに急速に拡大し
〝大人の事情〟の垣根を越えて
かつてSONYで配給していたスパイダーマンが
MCUのスパイダーマンと共闘したり
過去の他会社配給作品のmarvel映画までもが
合流か!?と更なる盛り上がりを見せている。
あ、昨日ストレンジの新作見てきました✌️

興行的にはものすごい数字を叩き出しているが
世界中の人々を熱狂させるヒーローたちは
意外にも名だたる映画界の巨匠たちには
あまり歓迎されていないようだ。

タイタニックやターミネーター、アバターなど
これまた世界中を感動と興奮に包んだ
産みの親、ジェームズ・キャメロン氏や
タクシードライバー・ディパーテッドといった
名作を生み出した僕が好きな
マーティン・スコセッシ監督も
MCUシリーズにどちらかと言えば
否定的な記事を目にした。
他にも多くの名俳優や監督が同じような理由で
似たような発言をしていた。

要約すると名だたるMCUシリーズや
スターウォーズなどの
フランチャイズ映画シリーズは
遊園地的な娯楽を作っているのと同じで
それは映画ではない、といったようなことだった。
映画は終わった、とまで言わせるほどであった。
(そこまで言うかねw)

簡単に言うと娯楽性重視であり
芸術性に乏しいといった感じであった。

たしかに彼らの主張・意見は
わかる気もする。
でも多分そんなこと気にしているのは
同業者だけだろう、とも思う。

ぼく個人の見解としては
映画というものは僕の中の定義として
2種類あって、先に述べたような
MCUやSWのように
老若男女問わず楽しめる娯楽性の高い映画と
一作のなかに伝えたいテーマやカルチャー、
見るものに何かを投げかけようとする
芸術性の高い映画に
大別できると思うのです。
まさしくマーティン・スコセッシ監督の
好きなところはそこでした。

よくマフィア映画を好きで見ますが
スコセッシ監督作『グッドフェローズ』の
美化されすぎないありのままのマフィアの様相や
近年Netflixで公開された『アイリッシュマン』は
まるで本当のドキュメンタリーのようでした。
フィクションでありながらリアリティがあり
残酷で無情なマフィア社会の中に
少しだけ垣間見る情がまた人間関係の機微を
表し、それがスコセッシ作品の良い味となっていて
〝芸術的〟とすら感じるのです。
単純にゴッドファーザーからの影響で
アルパチーノやデニーロが好き、
というのもありますが笑

ハリウッドでは
〝アメリカンニューシネマ〟と呼ばれた
世代の映画があります。
60年代〜70年代のベトナム戦争の時代を背景に
当時の政治のあり方を批判するような
反体制をテーマとした作品群の時代です。
ぼくはこの世代の映画がなかなかに好きで
これは見るものに訴えかけてくる
〝芸術性〟の高い作品が多いです。
『イージー・ライダー』『明日に向かって撃て!』
『時計仕掛けのオレンジ』『ワイルドバンチ』
あたりがこの時代で僕の好きな映画ですね
どれもこれも旧体制に抗う若者が出てきたり
バイオレンスだったりサイケデリックだったりで
激しく刺激的な映像の中に
どことなく陰鬱とした暗さもある、ちょうど
ベトナムに侵攻した自国に対する批判や
思想が一つの映画から伝わる感じが
な〜んとも言えないのです。
これがアメリカンニューシネマと呼ばれる時代の
作風だとかなんだとか。
当時20代の若者もいまや70歳くらい
彼らは何を思い、どう今を生き続けてきたのでしょうか。

それに対し同じ時代でも
そういった暗〜い時代背景を踏まえ
カウンターカルチャーとして
世に放たれたのが何を隠そう
最高峰の娯楽作〝スターウォーズ〟
新たなる希望なのでした!
それは映画産業に文字通り新しい光を
もたらしたのかもしれません!笑
公開するやいなや世界中を虜にする
未だかつて誰も見たことのない
SFファンタジーの世界!
どこか暗いアメリカンニューシネマの
時代に着き通す風穴をあける一作となったのです。

上記のように2種類の映画は
相互に補完しあって共存している
ものじゃないのかと僕は思います。
芸術性の高い映画も娯楽性の高い映画も
どちらもぼくは映画だと思いますし
どらちも大好きです。
気分によってどちらを見るかは
消費者の自由ですよね。
ずっとうどんだけ食べてたら飽きるし
そしたらそば食べますから。
そんで、そばみたいなうどんがあっても
いいと思いますよ。

ま一つ言えるとしたら映画もビジネスと捉えると
どんなに素晴らしいと思う作品を作っても
集客ができないのであればビジネスとして
成立してませんよね。赤字では作れるものも
今後作れない。
その点やはり大人気の映画シリーズは
それだけの成果を出して映画館に
お金を落としまくってるわけです
売れたもん勝ちじゃあないでしょうか笑
テーマパーク感、といわれると
まぁたしかになと
すごい納得してしまうんですが
ぼくはアトラクション好きですよ
非日常を感じられますし。
その体験こそ最高の娯楽ですから。
その上で芸術を楽しめたらな、と。

もうだから映画は
娯楽か芸術か、じゃなくて
娯楽と芸術、でいいんじゃないかと。
そして娯楽であり芸術であれば
いいんじゃないかと。
まぁ1視聴者としてただこれからも
たくさんの作品を楽しみますよん✌️

たろちゃん組

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