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【創作SS】雪不足 #毎週ショートショートnote

 暖冬、雪不足に頭を抱えた。スキー場のオープンは一週間後なのに雪の予報はない。
 
 ドアの傍らに執事のような男が立っていた。が、俺には驚く元気が無かった。
「お困りのようですね、当会に入会していただければ会員制の粉雪をご用意いたします」
ニヤリと笑みを浮かべた男の後ろで、尻尾が揺れていた。
「それで、俺の魂はやれないなぁ」
男は目を開き
「魂は要りません。一冬につき三人から信仰をいただければ十分です。狩猟型ではなく養殖型が現代のスタイルです」
「で、あれか?止めどなく降らせるとか、逆にほんの少し降らせて、もっと寄こせとかか。その手には乗らんぞ」
「それは養殖ではなく、詐欺でございます。先に粉雪を準備し、一週間後にまた参ります。形は問いませんので三人の信仰を準備してください」
俺が頷くと男は姿を消した。

極地的な粉雪が降りスキー場は開場した。

その夜現れた男に、三人の新香を渡した。
「魂を込め、漬けられた新香。良いでしょう契約成立です」
(本分ここまで)

 たらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
【会員制の粉雪】
に参加です。いつも以上に字数が厳しいと感じました。もうちょい、悪魔的な存在を匂わせたり、オチをねっとりしたかったですが力不足です。
#何を書いても最後は宣伝
 3年前の今頃、熱に浮かされるようにして書いていた物語がこちらです。

 お読みいただけたら嬉しいです。


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