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the courage立ち上げ時、一番最初に絶対に変えると決めたこと

こんにちは、語学学習コーチの伊地知(@taroijichi)です。(自己紹介についてはこちらをご覧ください。)

私が運営しているthe courageでは、今まで自分が長年語学コーチングで感じていた“もっとこうだったらな”を1つ1つ反映し、理想の形に近づけています。

今もまだ理想に向かう真っ只中ですし、本当に完成というのは無いなあという気持ちもあるんですが、the courage立ち上げ時、一番最初に絶対に変えると決めたことについて書きたいと思います。

一番最初に、絶対に変えると決めたこと、

それは「コーチングしない語学コーチングにならないこと」です。

語学コーチングの定義はいくつかあると思いますが、大勢を占めるのは、以下のようなものです。

学習者の目標と現状を確認し、そのギャップを埋めるための最適なカリキュラムを提供、さらには、それをやり抜くために毎週確認テストを実施、その結果に応じ、場合によっては軌道修正のアドバイスを行う。

実際にそうなんです。

私自身が日本で最初の英語コーチングスクールでのコーチ経験、コーチ育成経験があるだけでなく、複数の大手英語コーチングスクールのコーチたちと話したこともありますが、濃淡やこだわりポイントは違っても、こうしたことを実施しているという点では大きくは変わりません。

ただ、この“語学コーチング”の中に、自らの声を聞いて、自ら決断するサポートをするという意味での“コーチング”の要素はほとんど入っていません。

もともとは語学コーチングにはそうした、「自分はどうしたいのか」を問うようなコーチング要素があったのですが、わかりやすいカリキュラム作成や進捗管理、課題分析、解決策提案の部分だけが注目され、そこだけ抜き出したものが広く「語学コーチング」と呼ばれるようになってしまったので、今ではコーチング要素の無い語学コーチングというものが多くなっています。

で、この“わかりやすい”というのが結構くせもので、私も語学コーチとして働きはじめて、300人くらい対応するまで、コーチング要素をほとんど入れていなかったように感じます。

とにかくカリキュラム設計の方法や仕組みを知ることに一生懸命だったし、受講生から質問・相談を受けたら、それに対して何て答えようか、どうアドバイスしようかということを、先輩のコーチに教えてもらったり、今までの研究で言われてることや、実際の受講生対応の中で必死に学び、ノウハウを蓄積していきました。

その結果、多くの受講生対応を経験して、受講生の悩みを聞いた時に、すぐにその解決案が頭にブワーッと浮かんで来るようになりました。

ただ、そういう、コーチが言える解決策は、いつもただの“正論”でしかありません。

例えばですが、「単語が覚えられません」という受講生の課題があれば、以下のような点を確認して、できていなければ実行しましょうというアプローチです。

 →時間捻出はできているか
 →忘却曲線に逆らうように頻度高く触れているか
 →書いて覚えることで時間を無駄にしてないか
 →声に出して五感で覚えているか
 →どうしても覚えられない単語はコロケーションや例文で覚えているか

でも、受講生はいつでもこうした“正論”の解決策を納得感持って受け入れられるわけではなく、それに対して違和感を感じることがあります。

これは語学に限らずよく起こることですよね。

「こうすればうまくいくはずだ」「そうすべきなんだろうな」と頭ではわかっていても、何かやりたくないというような場合や、やりたい気もするんだけど、なんか実際には動けないというような場合です。

そして、そうした受講生に違和感がある場合、それを放置しないことが大切なんです。

でも、正論で押し通してしまったり、明らかに腑に落ちていない受講生が、コーチが一生懸命考えてくれた解決策だからといって、複雑な笑顔で「わかりました、がんばってみます」と言って帰ってしまう。そういうことが結構ありました。

当時、私は自分でもそれが分かっていながら「あ~、何か押し通しただけだな」と思いながらも、「カリキュラムの制限がある」とか、「クラス時間も限られてる」とか、言い訳しながら、自分をだましだまし(と言っても当時は当時で一生懸命だったんですけど)過ごしてしまうことがあって、そうなると本当に結果が出なくなってしまうんです。

そこで、改めてコーチングって何だっけということを学び直して、受講生の本音と向き合い、「時間が作れないっていうことだけど、もし時間を作らないことに目的があるとしたら何があるだろう?」だったり「こういう3つのやり方が考えられるけど、今それらに対してどう感じてる?」と質問するなどして、違和感を放置せず、その違和感がどこから来るものなのかなどを一緒に確認していくことを大切にしました。

そうすると、仕事で忙しいから時間が作れないという受講生が、「自分は周囲のメンバーの仕事をラクにすることが仕事で、その仕事の優先度を上げて、語学の優先度は下げてきたけど、語学学習はそうした周囲のメンバーのためになるんですよね、ただ仕事の方がやりやすいから、そっちに逃げてました。」とおっしゃって、そこから急に頑張れるようになるなど、一見すると語学学習とは関係ないところがブレーキになっていることにご本人が気づき、そこから一気に成果が上がるというようなことが起こるようになりました。

つまり、コンサルやトレーナーの役割の中に明確なコーチングを入れるようになって、やっと一つ抜けたというような感覚です。

ただ、あくまでもコーチングではなく語学コーチングなので、語学の先生の役割も、コンサル、トレーナーの役割なども行います。

the courageでは、その中にコーチングの要素を入れているという点を大切にしていて、どの役割をどう配合することが受講生に最も効果的かを考えながら提供できるコーチを良いコーチとしています。なので、どれかしかできないというのも困るということです。

the courageコーチ研修資料から抜粋

実は、過去に後輩のコーチから、「ちょっと最近クラス運営が作業的になってしまって、飽きてきちゃってます…」と相談を受けて、その時に「ああ、正論コーチをやってるとそりゃそうなるよな」と思い、こういう悩みを抱えてるのは自分だけじゃないんだなと思ったこともあります。なので、もしそういうコーチがいたら、少しでもヒントになれば嬉しいなとも思います。

もし、ちょっと飽きてたり、こうじゃないんだよなあとモヤモヤしている場合、自分の中にノウハウが蓄積されてて、解決策がバシバシ浮かぶというところまで来ている可能性が高いので、そこから一歩抜けるために、受講生の課題ではなく受講生そのものを見ることを意識してみると良いかもしれません。(正論コーチだと、AIでも結構できそうですよね💦)

まとまりもなく、少し長くなりました。まだまだうまくいかないことも多いですし、そうしたなか日々挑戦中というところですが、the courageが大切にしている語学コーチングについて、私の過去の経験も踏まえ書かせていただきました。最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。


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