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雨の日思うこと

少しずつですが、降る雨も冷たいものではなく、柔らかくなってきたように思えます。

春の雨と言えば。
私が幼い頃に祖母が『一雨ごとに春になる』と目を細めて嬉しそうに話していたことを思い出します。
北の冬は長く寒さも厳しく、きっと暖かい春を待ち望んでいたのでしょう。
庭に色々な山野草を植えていたので、これは雪割草、これはカタクリの花と蕾がふくらむと一つ一つ教えてもらいました。
山菜採りにも連れて行ってもらいました。朝3時に起きて家を出るのは幼い私には正直辛かったのですが、一度山に入るとわくわくしてもう帰ることなど考えたくないくらいでした。

北の春は短く、あっという間に夏になり、秋がきてそしてまた冬です。
年の半分はストーブを焚いています。
そんな祖母の待ち遠しい春は、優しい雨とともにやってくるのでした。

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