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なつのおもいで

ここ数年、海と山の絵を描いている。
何枚も描いているわけではなくて
1枚を何度も描き直し、
完成に至らずにいる。
私の記憶の海はこうではない、
もっと澄んだ青で、光り輝いている。
毎年、父と訪れた故郷の海。
沖はどこまでも暗く蒼く白波が立っている。
雲は白く、もわもわっとせり上がり
天空へと続く階段のよう。
今年こそは、と思い筆を取るのだが
毎日の事に忙殺され、
自分の思う海と空になれないでいる。
集中も切れ、もはや心が遠ざかりそうだ。
それでも焦がれる夏の海と空へ
この恋に似た気持ちで
描き続ける。
何かを取り戻すように。

もしも気に入ってサポートして頂ければとても嬉しいです。 これからも心にそっと届くような作品を作るために使いたいと思います!