200308_カジュアル面談再入門

カジュアル面談ってなんですか? どんな準備をすればいいですか?

転職活動を始めた人が初期に行う活動のひとつ、カジュアル面談。
すっかり一般化したカジュアル面談ですが、意味合いがファジーなままこれが行われているせいでいろんな不幸が起きているのをよく目にします。

Twitterなどで「カジュアル面談に呼ばれたら選考だった」のようなパターンはよく見かけます。それ以外にも、「カジュアル面談のつもりでだいぶ気軽に行った結果、そこでの印象が悪すぎてその後の書類選考で落とされた」というような、本人には自覚すらケースも多々あります。

そんなわけで、カジュアル面談を受ける方からしばしば相談を受けるので、「はじめてのカジュアル面談」的なことを書きます。

全体として、「油断しないでしっかり準備しよう」的なことが書いてあります。
「うちはそんなに構えないで、気楽に面談に来てくれていいよ」という会社さんもたくさんあると思いますが、そんな優しい会社さんはどうかスルーしてください。

そもそもカジュアル面談って何?

そもそもカジュアル面談とはなにかというと、その辞書的定義すら曖昧です。

これこそがカジュアル面談が多くの転職希望者にとって鬼門になる最大の理由で、会社によってかなり意味が違うのです。

多くの転職希望者が期待しているところは、

①「本格的な選考に入る前に、まずは会社のことを知ってください」(=候補者が会社について知る場)

であることが多い印象です。ですが、実際には

②「本格的な選考に入る前に、まずはお互いのことを知りましょう」(=候補者・会社が双方について知る場)

として機能しているケースがほとんどです。
個別説明会ではないので、これが自然かと思います。

場合によっては、

③「本格的な選考に入る前ですが、あなたのことについてちょっと教えてください」(=会社が候補者について知る場)

になっているパターンもあります。

もともとのカジュアル面談は、「すぐに本選考に入ってくれなくてもいいので、まずは会社に興味を持ってください」という、企業側からのスカウト目的が多かったわけです。これは今でも一般的に行われております。即戦力人材の転職潜在層へのアプローチ合戦になっている最近では、興味を持ってもらえるかが採用観点での勝敗の大きな分かれ目です。
この場合、企業はカジュアル面談前に相手のことをある程度調べていて、知っている状態です。実質的に書類選考パスの状態です。

他方、Wantedlyなどを通じて候補者側からカジュアル面談を希望することも多くなりました。
このパターンは、そもそも企業はカジュアル面談前に相手のことを知るか、カジュアル面談の場で相手のことを知りたくなるのは当然です。

なので、カジュアル面談の前にわりとちゃんとした書類選考を行うのはわりと一般的です。
会社によっては、カジュアル面談と通常の面接の違いはどちらが多く話すかの割合の問題に過ぎないと考えており、カジュアル面談だけで相手のことがわかればその後の面接が1回分スキップになることもあります。

ありがたいカジュアル面談の例

よいカジュアル面談を行っている会社では、カジュアル面談を担当する社員に参加者に対する質問をしないように指導していたり、人事を含めて選考に関わる人がカジュアル面談を担当しないようにするなど、カジュアル面談が選考に影響しないように徹底しています。

めちゃくちゃ誠実でちゃんとしている事例として、Quipperさんとかはカジュアル面談がどう行われるか公開されています。

というか、採用プロセス自体を公開しています。

Quipper Web Engineer 東京オフィス採用面接ガイド

カジュアル面談がほとんどの場合選考に影響する理由

カジュアル面談を受ける会社に応募する意思があろうとなかろうと、カジュアル面談を受けるからには選考に重要な影響を与えることに留意する必要があります。

なぜかというと対面で与えられる印象はとても強力で、一度形成されるとカンタンには更新できないからです。
たとえそれが本選考であろうとなかろうと、カジュアル面談で話をすればあなたの第一印象が形成されます。
その第一印象は、その後本選考を受けるときにアップデートするのはかなり難易度が高いです。

わりと油断して臨んだカジュアル面談で相手の会社にすごく興味を持ったとしても、そのときの自分の印象がイマイチだととても残念なことになります。

なので、カジュアル面談で会った人が一切選考にタッチしないという体制を構築している希少な例を除き、その後書類選考や面接で関わる可能性がある人に会うときは、そのことを十分に意識した方がよいです。
すごく好意的に印象付けようと無理する必要はないですが、少なくともネガティブな印象を与えないような気遣いは大事です。

カジュアル面談は0.5次面接のつもりでのぞめ

「カジュアル面談にはどんな準備をすればよいですか?」という質問をよくいただきます。

質問してくれるだけまだいいのですが、「カジュアル面談だから気軽に来てください」と言われて本当になんの準備もなくカジュアルに話を聞きに行くのは、よほど腕に自信のある人以外はやめた方がよいです。

カジュアル面談でもったいない失敗をしないための基本方針は、「常に0.5次面接のつもりでのぞめ」です。
上記の通り、各会社でのカジュアル面談の位置づけは会社によってかなり異なりますが、相手がどのような温度感でカジュアル面談を行っているのか事前に判断しにくいという問題があります。そうすると、わりとしっかり自分も評価されると思っていた方が安全です。
ばっちり相手の会社を調べ尽くしたり、どんな質問にも答えられるように準備をする必要はないですが、ある程度の準備は必要です。

また、カジュアル面談に限らないですが、なんらかの目的で相手にも時間を割いてもらうからには、相手にとっても有意義な時間になるよう気遣うくらいの誠意は必要です。

なので、相手の会社について検索してわかる範囲で調べておくくらいのことはしましょう。
できれば、その会社について興味を持ったポイントと当日聞きたいことくらいは箇条書きにしておきましょう。

これは別に、「気軽にカジュアル面談を受けるな」と言いたいわけでは全くないです。
喩えると、人の家にお呼ばれするときに「手ぶらで来て下さい」と言われてもちょっとした手土産くらい持っていきますよね? そのくらいの気遣いは持ちましょうという趣旨です。

当社のカジュアル面談の場合

当社の選考でもカジュアル面談を行うことが多々あります。カジュアル面談では、候補者の方が当社について知りたいことをできるだけたくさん持ち帰れるように時間を使っています。

では、当社のカジュアル面談が選考に影響しないかというと、多少なりとも影響します。一番の理由は、当社はまだ選考に参加できる人数が多くないので、カジュアル面談を担当する人(多くの場合は僕を含めた役員)と選考担当のメンバーを分けることが現実的にできないからです。

実際、カジュアル面談の時間の90%はこちらが話しているとしても、残りの10%でも候補者のことが少なからずわかってしまいます。実際、いただいた質問ひとつで「この人を是非採用したい」となることもあります。

実践的カジュアル面談対策集

おまけとして、実践的カジュアル面談対策をFAQ形式で書きました。
(質問して頂ければあとから付け足すかもしれません)

Q:  志望理由は用意した方がいいですか?

A:
志望理由は用意しなくていいと思います。
そもそも志望理由を言語化するための材料を得るためにカジュアル面談に臨みたいのだとしたら、無理してでっち上げた志望理由なんて意味はないかと思います。

Q: カジュアル面談で志望理由を聞かれたらどう答えたらいいですか?

A:
あまり聞かれないと思いますが、万が一聞かれたら「まだ御社のことを十分に理解できていないので、今回お時間を頂きました。」でいいんじゃないかと思います。
ただ、そのあとに「御社のxxとxxに興味を持っていて、詳しくお聞きしたいです」とか「自分は◯◯を大事にしていて、御社のxxに共感して詳しくお話を聞きたいと思いました」とか、理解を深めるとっかかりは自分で持っていた方がよいです。そのくらいないと、せっかく機会を頂いても自分にとって本当に大事なことを聞き出せないので、もったいないです。

Q: こちらから質問したいのに、質問ばかりされたら?

A:
そういうこともあり得なくはないので、聞かれたことには堂々と答えたほうがいいんじゃないかと思います。
そもそも相手から情報を引き出すのも自分の準備次第なので、相手が質問ばかりしてくるのは、もしかしたらあなたからの質問が少ないので会話をもたせるために苦労しているだけかもしれません。

Q: カジュアル面談のはずだったのに、その後結果の通知が来たら?

A:
「おかしくない?」と言いたくなる気持ちはわかりますが、ツイッターとかに怒りをぶちまけるのはやめましょう匿名でもやめましょう。
そのツイートによって自分が他の会社に採用される可能性が下がるだけで、何も得することはありません。
むしろ、結果の通知なんかなくても「是非うちに来てもらいたい」と思ってもらえるように毎回のカジュアル面談に臨みましょう

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