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忘れられない初恋〜告白。片想いが終わった。〜

映画を観終わったら告白するのは決めていた。
映画館の前に公園があるから、ベンチに座って告白しようと思っていたけど、その日は雨で、どうしたものか。
そんなことで頭がいっぱいなんだけど、気づかれないよう映画に集中する。

映画が終わると、ご飯を食べることになった。
ご飯の前に告白したいと思い、お店を探すふりをして、告白できそうな場所を探す。
ショッピングモール内を何周もぐるぐるまわる。
たまらなくなって
「ちょっと今ご飯どころじゃないわ。一旦座ってもいい?」
不自然なダサいこと言って、エスカレーターの前にあるベンチに座る。

どう話し始めたのかは覚えていない。
「好きです。付き合ってください。」
気づけば、告白していた。
不器用な僕とは思えないくらい、ちゃんと伝えられたと思う。
25歳にして、はじめてのことだった。
だからか、もちろん付き合いたいけど、好きって言えたことがうれしく、それだけで胸がいっぱいだった。

片想いが終わった。

「私も好きです。」

両想いになった。

こうして僕は、ともみちゃんと付き合うことになった。
でも、このともみちゃんは初恋のともみちゃんではない。


ニューヨークさんの単独をともみちゃんは楽しみにしてくれていた。
でも、その日が授業参観になってしまい、急遽来れなくなってしまった。
芸人を辞めて何者でもない僕だから、告白したところでダメなことはわかっていた。
それでも、この気持ちを伝えたかった。
そのチャンスは訪れなかった。
僕はこういう運命だと思うことにした。

そう思えたのは、この初恋を唯一忘れられそうな人に出会えたからなのかもしれない。
その子は、ともみちゃんよりも髪は長くて、身長は大きくて、なんなら僕よりも少し大きくて。
でも、名前は同じともみちゃんだったんだ。

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