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第56回CBC賞(GⅢ)

 CBC賞、もう伝統の夏のスプリント王決定戦のイメージです。そもそも、スプリンターズSがG1に昇格した1990年当時、古馬のスプリント重賞はそもそも数がなく、その中で一緒にG2に昇格した由緒ある競争。  1996年高松宮記念(当時は高松宮杯)がスプリントG1になった際に、冬のスプリンターズステークスの前哨戦となってからが、まさにCBC賞黄金の歴史。いきなりエイシンワシントンVSフラワーパークの一騎打ちに始まり、スギノハヤカゼ、マサラッキ、アグネスワールド、トロットスターと当

    • 第27回函館スプリントステークス(GⅢ)

       夏競馬の開幕は以前なら福島競馬の始まりで感じていたのだが、6月一杯まで東京開催が続くとなれば、サマースプリントシリーズ初戦のこの函館スプリントステークスが夏競馬の開催を告げるレースか。もっとも6月の函館は実際行ってみるとまだまだ肌寒く、夏というよりは遅めの春、の方が近いだが。  先週の開幕週は函館らしからぬ早い時計の出る馬場だったが、それなり雨も降ったか土曜日の競馬はだいぶ時計もかかっているよう。となれば、そういった力のいる馬場で開催された高松宮記念の出走馬3頭に、同じく

      • Royal Ascotの思い出(2011年 初日)

         2010年から2011年にかけて私は欧州に滞在していました。滞在中は暇を見つけて欧州各地の競馬場を訪ねまわっていたのですが、やはり今から振り返っても当時の欧州競馬はキラ星のような名馬の時代で、その中でも一番の輝きを放っていたのがフランケル(Frankel)でした。競馬を見続けてきた、私の最大の幸運の一つはフランケルが歴史的名馬に上り詰めていく様を現場で見ることができたことです。  さて、そのフランケルのレースに一緒に出走した日本馬がいることはご存知ですか? その馬の名前は

        • 第37回エプソムカップ(GⅢ)

           エプソムカップは春の東京競馬を締めくくる重賞というイメージがまだ強い。そもそも宝塚記念の裏開催。この週が終わると、福島、中京、札幌のローカル開催が始まるというのが1990年代の競馬の歳時記。それでもその頃からワコーチカコ、カネツクロス、はたまたマーベラスサンデーなんて言う後の大物も勝ち馬に名を連ねていて、さすが府中の中距離重賞というところ。  さて東京は梅雨入り。先週の安田記念は馬場を敗因にあげた陣営もそこそこいたにせよ、グランアレグリアは1.31.6でまとめているだけに

        第56回CBC賞(GⅢ)

          EpsomDowns

          EpsomDowns

          第70回安田記念(GⅠ)

           大阪杯がGⅠに昇格し、春の古馬三冠となると明確に大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念ということになった。1着の本賞金もいわゆる短距離カテゴリー(マイル・スプリント)は中距離以上と比較して抑えられており、天皇賞・春や宝塚記念の1億5000万、大阪杯の1億3500万にたいして、安田記念は1億3000万円。賞金面では格下とされている。  かたやロンジンのワールドレースランキング(1着~4着の馬のレーティングの平均をとったレースレーティングのランキング)では2019年は安田記念は総合でも

          第70回安田記念(GⅠ)

          第87回日本ダービー(GⅠ)

           今年のダービーは2強対決の様相ですね。クラシックの前哨戦で2頭が勝ち残り、2強対決で皐月賞を迎えるというのは、クラシック路線を甲子園に例えるのであれば、まさに決勝戦。いやがうえにも盛り上がる。その2強で皐月賞が決まったので、リターンマッチとなる日本ダービーでいよいよ雌雄を決する、今年のダービーはそういうレースですね。  ただ2強並び立たず、ということも競馬の世界ではよく知られた話。お互いに当然意識しあい負かしに行くから、よほど2強の力が抜け出ていない限り、余計な力を消耗し

          第87回日本ダービー(GⅠ)

          第81回オークス(G1)

           とてもいい天気で、コロナの感染者数も落ち着いていて、相変わらずの無観客競馬というのがさすがに今日は恨めしい。ただ、最近はいつもダービーの方に現地に行くので、その前週のオークスは現地観戦のことが多い。最後にオークスを現地で見たのは、フランスから帰国直後の2012年のジェンティルドンナのレースだった。お父さんのディープインパクトのダービーをそのまま思い出させるような圧勝でしたね。  そのジェンティルドンナでも達成できなかった無敗の2冠馬に63年ぶりに挑むのがデアリングタクト。

          第81回オークス(G1)

          第15回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

           今年のヴィクトリアマイルにはアーモンドアイが出走してくる。現役最強馬が牝馬限定戦に出てくるのだから、普通に考えれば負けるはずがない。そう考えたら、ウオッカのことを思い出した。  ウオッカのヴィクトリアマイルといえば馬なりでぶっちぎった2009年の方が有名だが、その前年、GⅠ2勝のダービー馬として参戦した2008年のレースの方を思い出したのである。エイジアンウインズを捕まえきれなかった、あのレースである。  2008年のウオッカが、どのような過程でヴィクトリアマイルに臨ん

          第15回ヴィクトリアマイル(GⅠ)