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「読書」について思うこと(後編)

 以前は「読書が趣味」と言えるほど読み耽っていた時期があった。好きな作家や作品についてまとめてみた……

➡️以下、前編からの続きです。

●他に印象深いのは

 国語の教科書で一部を読んで、全編読みたくなって買った夏目漱石の「こゝろ」。私のベストテンをつけるなら外せない作品だ。

 ホラーに少し傾倒した時はスティーブン・キング「シャイニング」、ディーン・R・クーンツ「戦慄のシャドウファイア」。キング作品は「ダークタワーシリーズ」も全て読んだ。

 中島らも「ガダラの豚」「アマニタ・パンセリナ」「今夜、すべてのバーで」「明るい悩み相談室シリーズ」
など。若くして亡くなられた時はとても残念だった。

 当時かなり流行したシドニィ・シェルダン「ゲームの達人」は宣伝通り、読むのを止められなかった。村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は何度も読み直した。夢野久作「ドグラ・マグラ」は、今読み直したらどんな感想を持つだろう。

 本格ミステリを読んでいた時期は、ジョン・ディクスン・カー、鮎川哲也、岡嶋二人、綾辻行人、歌野晶午、折原一、我孫子武丸などは複数の作品を読んだ。

 東野圭吾「容疑者Xの献身」、真保裕一「ホワイトアウト」、宮部みゆき「火車」、小川洋子「博士の愛した数式」、三浦しをん「船を編む」、湊かなえ「Nのために」。こうして並べてみると映像化されてる作品も多いな。楡周平「朝倉恭介シリーズ」のようなハードボイルド物も好きだ。

●東直己さんとのちょっとしたやり取り

 東直己「ススキノ探偵シリーズ」の主人公の探偵「俺」の生き方がめちゃくちゃかっこよかった。
 そのシリーズの中で出てくるオリジナルカクテル「サウダージ」を行きつけのバーで作ってもらったりもした(これがまた美味い)。

 当時私はフェイスブックで、東さんに友達としてつながって頂いていた。ある日東さんが
「勘違いをして西村賢太『人もいない春』を2冊買ってしまったので、誰かもらってくれませんか」
とタイムラインで流していたのを見て、
「欲しいです」
と遠慮もなく手を挙げたところ、
「あなたが一番レスポンスが早かったので」
とすぐに送って下さった。少しのやり取りだったが、シャイだけど温かな人柄が伝わってきて、探偵「俺」のような人だと思った。私自身はフェイスブックを辞めてしまい、東さんも最近は新作が見られないが、お元気にされてるだろうか。

●最高のコスパ!

 本を読み始めた頃の私に、親父が教えてくれたのは「読書は最も安く楽しめる娯楽」という事である。

 今は当時より容易に多様なエンタメに触れやすくなっているけど、書き手の意図を汲み取りながら、出てくる登場人物の気持ちや見ている風景などを頭の中で想像して、読み手それぞれの解釈が生じる読書という作業は、なかなか他では代えの効かない娯楽であると同時に学びである。

 こうやって文章にしてみて、読んだそれぞれの時代で影響を与えられていた事が確認できた。
 ふつふつと読書欲が湧いてきた。

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