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嫌な予感は大抵大当たり


オーストラリアに留学して三週間が経ち、残り二週間となった。時間が過ぎるのはとても早くて、未だ死なずに生きていられてる。
そんなある日、喉に違和感を覚えた。何かが突っかかる感覚。これは喉が痛くなる前兆だと気づいた。まあ、ただ乾燥しただけだろうということにしておいた。


次の日、本格的に喉が痛くなった。でもまあ、そんなこともあるさとしか思っておらず、普通に学校へ行ってお昼は友達と韓国料理を食べに行った。久々に食べることができたお米は、コチュジャンの付けすぎによって喉を悪化させる刺激物と化した。


今週の日曜は、ゴールドコーストにあるドリームワールドという遊園地に行く予定があった。それをモチベーションに重すぎる体をなんとか起こして早朝に起きて、毎日授業に行ってた。


これで今週もようやく終えることができて、休日がきたことを公務員としてフルタイムで働くホストマザーと分かち合った華金の夜。ちらつく喉の痛みに多少の「もしや?」がよぎったけど、そういうのは気からくることもあると信じてやまない私はフルシカトに暴行。
同じクラスメイトからもらった龍角散を舐め、機内用にと持ってきていたのどヌール濡れマスクをつけてその日は就寝した。


土曜日。
今日も友達と外にご飯を食べに行く約束をしていた。が、起きた瞬間の喉への激痛と嫌な予感。倦怠感と体がふわふわしている感覚。時間が経つにつれて熱くなる身体。
ホストマザーに伝えるとすぐにコロナ検査キットを渡された。


とにかく祈った。
なぜなら明日はずっと楽しみにしてきた遊園地に行く予定なのだから。
なのになぜだ。





Positive!!!!!!!!





薄い線をどうにかして見えないようにできないか策を練ったが身体は嘘をつくことができない。
私は留学先で、初海外で、コロナになってしまった。


始めは遊びに行く予定が私だけ無くなってしまうことがとにかく辛かった。もちろん留学は勉強のためだけど、普通に海外を楽しみたかった。
私の運はなぜ、良いことが毎日少しずつ起きて、嫌なことは一回に大きいダメージでやってくるんだろうと。変な帳尻の合わせ方はやめてくれ。


ホストマザーは高齢まではいかないけど若くはないしコロナに一度もかかったことがないらしい。それに昨日、友達と普通にご飯を食べてしまった。始めに湧き出た感情は消え失せ、うつしてしまってないかという申し訳なさだけが押し寄せてきた。


ホストマザーは薬を買ってきてお昼も用意してくれて(ホームステイ代に昼代は含まれてない)、喉が痛いと伝えたらハニーレモンティーが喉に良いからと作ってくれた。
明日の予定も私抜きで行ってもらって構わないと覚悟を決めていた。正確に言えば、もう諦めてた。なのに友達は、私抜きで行っても楽しくないからと予定をずらそうと言ってくれた。いろいろ予定に不都合があって明日しかいける日がなかったのに、学校を休んででも一緒に行きたいと言ってくれた。


留学行っといて学校サボるなよと思う人がほとんどだと思うけど、それで後悔するのは私たちなわけだから、今はしたいことをしようと思った。
周りの人たちがコロナにかかって情けない私をこんなにも優しくしてくれて、人の温かさを実感した。
きっと留学先でコロナにかかる経験はこの先ないと思う。良いも悪いも全ては経験すればするほど、人生が豊かになるという思考を心得ててよかった。



近すぎて見えないことを見ることができた経験。
きっとみんながみんな、得られるものじゃないと思う。
コロナになれてよかったとは言わないけど、なれてよかったと思える節があることを知った。




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