影響されやすいのです

あるエッセイを読んでいたら、「今晩の夕飯をチョコレートとウィスキーにしようと思ったら、なんだかとても楽しみな気持ちになってきた」という趣旨の記述に出会った。

夕飯がチョコレートとウィスキー。それはとても甘美な響き。
早速真似してみようと思いたち、明治の「ミルクチョコレートBOX」を買ってきた。ノーマルなものとミルクが多いものの2種類があって、しばらく迷ったのだがミルクが多い「ハイミルクチョコレート」にする。

26枚も入っているので、よしよし夕飯の前のおやつにと思って1つ食べてみたら、ものの見事に止まらなくなった。
チョコレートだけで満足してしまったので、ウィスキーには手を出さないことにした。

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「衣・食・住」の中では圧倒的に「食」の優先度が低い人間なので、夕食などもつい面倒くさくなる。夜は何かと忙しいので、正直、食事をしている時間がもったいないと思うこともあるほどだ(ただ、コーヒーを飲んだり、甘いものを食べたりするのはむしろ優先するくらいなので、「生存に必要な栄養を摂取する」ということへの関心の問題なのだろう)。

夕食がチョコレートとウィスキーで済むなんて、いや、済まして良いなんて考えたこともなかった。変な話だが、「夕食はこうあるべき」といった固定観念にとらわれていた。
チョコレートをモグモグ、ウィスキーをチビチビ。きっとそこには静かな雰囲気の音楽や本が似合う。そんな軽やかな夕食ならば、大歓迎である。

「~べき」にはそう言われるだけの理由はきっとある。食事はきちんと栄養のあるものを食べた方が、そりゃ健康には良いに決まっている。
でもそれを負担に思うのならば、軽やかに発想を転換して「一日を良い気分で締めくくるものを味わう」と考えても良いのかもしれない。

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本に書いてあるたった一行で行動が左右される。私は、影響されやすいのだ。「素敵な生き方をしているな」「尊敬できるな」と思った人の行動は、つい真似してみたくなる。

そんなふうに、読んでいる本や出会った人から様々に影響されながら、そして発想を転換させながら、ふわりと生きていきたいと思う。

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