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私小説「”骨髄移植”経緯」~23~

23.「明日からステロイド点滴を内服に替えます。」
7月8日の入院から3カ月が過ぎ、そろそろ外泊が現実的になってきました。そのためにはできるだけ点滴の量(数⁈)を減らさなければなりません。午前中に1時間で落としているステロイドの点滴を内服薬に替えると、5㎎の小さな錠剤10粒。薬剤師さんに甘えて朝6粒、昼4粒を個別に1袋にまとめてもらいました。あとは10時から18時までの電解質の点滴。マグネシウムの量が順調に回復してきているのでこれもしばらくすると外せそうです。
悩まされた発疹のあとが枯れて、ちょうど日焼けした後のように皮膚がポロポロとはがれています。色の濃いパジャマを着ると一目瞭然、朝起き上がるとあちこちが粉を噴いたようになります。
18時以降点滴台に縛られることがなく、部屋の中を自由に移動できます。ところが習慣は怖いもの。一昨日寝る前に歯を磨こうと洗面台に行ったら、無意識に点滴台をガラガラと引っ張ってきていました。なんの点滴袋も下がっていないのに。
明日もいい天気になりそうです。こんな夕焼けが観られるのおあと少しかと思うと、妙な気分です。