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ヒット確率を上げるtaskeyの戦略【”当たる”Webtoon作りとは?】

こんにちは!taskey STUDIOです!

taskeyは昨年Webtoon事業に本格参入しました。今回のnoteでは、taskeyのCEOであり作家でもある大石に、その背景にある想いや描いている戦略をインタビュー形式で詳しく聞いていこうと思います!

1. Webtoon事業に参入した背景、想い

────参入のきっかけは、何だったのでしょうか?

大石:出版社や他プラットフォームから漫画化やWebtoon原作提供に関するお引き合いをいただく機会が急激に増えたことです。弊社が開発・運営するアプリ「peep(ピープ)」に掲載しているオリジナルのチャットノベル約3,000作品はすべて契約作家様と編集者がタッグを組んで作り上げており、peepでランキング上位の人気作品はほぼ全て、出版社やLINEマンガなどの電子書籍ストアからお声がけをいただきコミカライズしてきました。

アプリ「peep(ピープ)」のチャットノベル画面

このあと戦略の話でも詳しく触れたいのですが、peepに掲載している作品は「話売り(わうり)」を基本として作っているため、peepでの1話をWebtoonの1話としてそのまま成立させることができ、スピーディーにWebtoon制作をすることができます。『俺だけレベルアップな件』など韓国の大ヒットWebtoonの原作も小説であることが多いです。
また、taskeyはビジョンとして「21世紀、世界でもっとも読まれる物語を生み出す。」と掲げています。このビジョンを達成するためには、国内だけでなく世界中で楽しまれる物語を目指す必要があり、現在世界的に人気が拡がっているWebtoonに参入するのは自然な流れかと思います。

────ご自身もチーフプロデューサーとして現場に立っているとのことですが、どのような想いでWebtoon制作に取り組んでいらっしゃいますか?

大石:現在peepに掲載している作品はテキストを基軸としたコンテンツがメインなのですが、イラストが基軸でフルカラーとなるWebtoon制作にはこれまで以上に制作コストがかかります。ただ、良いものには十分にコストをかけ、クオリティが高いものをつくっていくという思想で制作を進めています。
ディズニーの長編映画『白雪姫』は世界初のカラー長編のフルアニメであり、作成されたセル画の枚数は25万枚(スタジオジブリ作品『崖の上のポニョ』が17万枚で)にものぼると言われています。当時は、莫大な労力と金額が費やされ「ディズニーの道楽」とまで言われていましたが、結果としては桁外れの大ヒットを記録し80年近くも愛される歴史に残る名作となりました。このように、良いものをつくれば多くの方に長く楽しんでいただけ、その結果としてLTV(ライフタイムバリュー)が高くなると考えているため、tasekyでは1作品にイラストを1コマ1コマ監修するAD(アートディレクター)が1〜2名ずつ付いていて、クオリティに妥協しない制作体制をとっています。

2. Webtoonのヒット率を上げる!taskeyのビジネス戦略とは?

────Webtoonのヒット確率を上げるためのステップがあるとのことですが、詳しく聞かせてください。

大石:基本的には、自社で持っているプラットフォームであるアプリ「peep(ピープ)」に、チャットノベルとしてまずテキストコンテンツを公開し、人気の高かったものをWebtoon化します。peepにはWebtoonのターゲットにもなるZ世代を中心としたスマホユーザーが多く集まっており、Webtoon作りでも重要となる読者データを細かく見ることができます。具体的には、作品の「閲覧数」でどれくらいのユーザーが作品に接触するかで、作品表紙やタイトルの惹きなど、狙った面白さが伝えられているかを見ます。作品を読み始める前に目にするタイトルや訴求コピーは、作品のパッケージと言えます。各プラットフォームで他作品と並んだ時に選んでもらうために、ここの磨き込みが重要と考えています。

(例)同じ作品で表紙を複数制作し検証を実施

また、1冊を読み切るのを前提に作られた紙の小説とは違い、peepに掲載している作品は「話売り(わうり)」を基本としています。「話売り」の場合には読者を離脱させないことが重要なので、各話の遷移率を見て続きの話をどう展開するか考えていきます。そのため、1話1話に「クリフハンガー」(フック)が効いており、peepでの1話をWebtoonの1話としてそのまま成立させることができます
話ごとの離脱率=退屈度と捉えており、例えば3話目では無料話の終わりなので惹きが強くなるよう研究して話の展開を考えます。10話目では作品の一番の面白味が伝わっているか、最初の印象と中身がマッチしているか、ストーリーの起伏・起こるイベント・クリフハンガー等で読者を退屈させていないかを見ます。そして、ここまでの数字を見て作品を何話まで制作するかを決めていきます。まだWebtoonでも漫画でもない状態でテキストコンテンツとして公開し、3ヶ月以内に読者の反応やデータを見て分析できるのはtaskeyの大きな強みです。

さらに、peepの作品には、1作品で数百万〜数千万の広告費を投資しているものもあり、広告(プロモーション)の反応や実績データも活用しています。一部の方に楽しんでいただけるようなニッチな作品があっても良いとは思いますが、ビジョンを達成するためには広く多くの人に作品を楽しんでもらう必要があり、それが作品の連載継続に繋がっていきます。peepの中の読者データだけでは作品を評価しきれないと考えており、デジタル広告の実績で、大衆(老若男女)が理解できているか、というエンタメの基本水準をクリアしているかを見ています。また、作品づくりの工程で狙っていたわけではない訴求で広告がヒットする場合もあり、その新しい訴求軸を踏まえて続編のストーリー作りに取り込んだりもします。

例えば、動画広告の視聴維持率とCPI(獲得単価)で、作品の惹きや大衆にウケているかを見ます。「最初〜10秒まで」の視聴維持率で訴求コピーや導入部分の惹きを見ており、「30秒時点」の視聴維持率で作品の理解度や他作品とは違った新しさをもつ作品になっているか・退屈させない展開かを判断します。そして、CPIが一定基準を下回っているかで、大衆へのウケを見ています。いわゆるヒットする作品は、広告の出稿量がいくら増えてもCPIが上がりません。

(参考)広告動画の視聴維持率の推移

このように、peepの読者データの「閲覧数」「遷移率(離脱率)」で作品の面白さ、広告実績の「視聴継続率」「CPI(獲得単価)」で分かりやすさや新しさを見るためデータを活用しています。

───わかりやすさ、新しさ、面白さの3つを追いかけて作品をつくっているということですね?

大石:そうですね。そのためにデータを補助輪のように使っているイメージです。データだけでは分からないこともあるので、Webtoonプロデューサー(編集者)が表現したいことの解像度を上げていくのと、作家さんのセンスをかけ合わせていきます。さらにクリエイター達の才能も掛け合わされて、より良い作品が出来上がっていきます。毎週決まった時間には「Webtoonナレッジ共有会」を実施しており、社内で制作しているWebtoonチームが作品ごとに分断されているケースもあるので、車輪の再発明とならないように制作工程に関わるノウハウを共有しています。「企画会議」では原作となる企画のフィードバックや他社作品の分析共有などをみんなで行うことで、それぞれ制作している作品をより面白い作品へ昇華させていきます。
自社の持つIPであり、原作をつくっているチーム・Webtoonをつくっているチームが同じスタジオにあることで、シナリオづくりにおいてもWebtoonの各工程においても、それぞれの知見を原作サイドとWebtoonサイドで共有できる最強の体制だと思います。作品づくりにおいて、新しい風を起こすには、原作〜Webtoon制作までが一気通貫である必要があると考えています。

───なるほど。peepのデータを活用したり、原作やその制作チームも自社で持つことを最大限に活かした戦略で制作されたWebtoonはもうすぐ世に出ていくということで、ますます楽しみになりました!ありがとうございました!


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