【銀河英雄伝説】敷居が高いと思ってたけど漫画版読んだら超面白かった銀英伝【漫画感想】
この前フジリュー版読んだら、銀河英雄伝説めちゃくちゃ面白いんだな…ってなって気づけば漫画全巻買ってました。因みにまだ原作は読めてません…。
読む前の自分は
「スペースオペラにSF…気になるけど設定とか難しそうだなあ。敷居高そう…」
「原作結構昔の作品だけども、今読んでも面白いのかな…」
って思ってたんですよ。でも、読んだらこ「めっちゃ読みやすいし今読んでもすげー面白いじゃん!!」と熱い手のひら返しをする羽目になりました。いやあ先入観は良くないね!!
様子見でTSUTAYAで3巻まで借りたんですけど、次の日に一気に残りの間借りて読破し、読み返したいから最終的に結局全巻買いました。それくらい熱中した。
なんでもし気になっていて、上のように思っている方がいたら是非安心して読んで欲しいですね。
じゃあ、何が面白かったって言うのを以下書いていきます。これは感想記事兼布教記事です。
【2人の主人公】
銀河英雄伝説はストーリーに2つの主軸があります。その2つの話の雰囲気が全く異なり、まさに一粒で2度美味しい作品でした。
1つめの主軸が、銀河帝国で1人の青年、ラインハルトが軍人としてのしあがる話。もうひとつが、銀河帝国に敵対する同盟国で軍や政治に振り回される軍人ヤン・ウェンリーの苦労話。
前者は王道な英雄譚と言う感じで熱くて面白いし、後者はある意味我々日本のサラリーマンにも重なるような、上からの無茶振りをいかに何とかするか…と言った話が多くある意味リアリティのある話となっています。
ヤンが有効な作戦を思い付いたにも関わらず、部下という立場であるために上官に突っぱねられてしまい実行されず、結果親友が亡くなったり追い詰められてしまう展開は大人の世界のやるせなさを感じました。
ラインハルトとヤン、2人はW主人公みたいなものですが、2人とも性格も考え方も全く異なるのが面白いですね。
ラインハルトにはキルヒアイスという相棒が側におり、彼と2人で銀河の皇帝を目指す。性格は真っ直ぐで交戦的。見た目は天子と称される程の美少年。
かたやヤンは仲間はいるものの対等な人はおらず、目指すのは軍人退職、からの年金で生活しながら歴史研究家になること。性格は温和だが時々毒舌。見た目も普通であり、フジリュー版では彼のポスターは派手な男に加工されているなどの描写があった。
まさに真逆の2人。けれど、どちらも軍人としての指揮能力は一級品。
物語が進むにつれて、この2人が作戦指揮を取る形で何度かぶつかり、接戦を繰り広げていくのですが、どちらが勝つか先が読めず思わずページを捲る手が速くなりました。
基本は銀河帝国が体勢の盤石さや数では勝っていることが多いのですが、ひとえにヤンの指揮能力がずば抜けててそんな戦況もひっくり返せちゃうので末恐ろしいキャラだな…と思いながら読みました。
【漫画ならではこそのわかりやすさ】
結構SFやスペースオペラの作品だと、武器や舞台の設定難しそう…人が沢山出ても覚えきれるか…?と危惧していたんですが、そこは漫画という媒体と、フジリューという作家の力でさくさく読める作品になっていると感じました。
自分は元々フジリュー作品を結構読んでおり、読み始めたのも久々にフジリュー作品読みたいな〜〜となったのがきっかけです。フジリューの読み切り集はいいぞ。
まず、銀河英雄伝説マジでめちゃくちゃキャラクターが多くて最初びっくりしました。けれども、フジリューの書き分け能力が高いおかげで大体のキャラのビジュアルは覚えられたんですよね。
フジリューキャラは大体シルエットからみんな違っていたり、おじさんなどのイケメン以外のキャラも妙にクセのある顔つきなので印象に残り易いんですよね。(このクセは賛否両論みたいですが……。ただ他作品のコミカライズに比べると抑えてはいる印象)
余談ですがフジリューは小説をコミカライズした「屍鬼」という作品でも数十人以上はいる村人を見事に書き分けてデザインしています。そのお陰で後から小説版読んだとき、大体の村人の顔が浮かんだので大変読みやすかったです。
そのお陰で、「あっこの人〇〇した人だ!」「この人あの場面に出てた人だ!」と思い出すことが出来、名前も後から覚えることが出来ました。
自分はあまりキャラの名前をスッと覚えられるタイプではないので、多分小説先だと誰が誰だか分からなくなってただろうなと思いました…。
漫画版と他作品のメディアミックスのキャラデザを比べると面白いですね。ラインハルトは大体みんな金髪美少年って感じで一致してるけど、キルヒアイスは作品によって天パである時もあれば短髪な時もあり、ツリ目かと思えばタレ目だったりと千差万別のデザインして笑いました。
フジリュー版のヤンのキャラデザが個人的に結構好き。
また、戦闘シーンでの軍艦とかもきっちり書かれていたら、それらの配列も分かりやすい形で可視化されております。
元々フジリューは2000年台の初めと比較的早い段階でデジタルによるメカの作画を始めており、(確かサクラテツ対話篇とかで使ってた)そのあたりの描写は得意な印象があったのですが、銀河帝国の建物の描写やラインハルトの専用機体、イゼルローン要塞など人物だけでなく背景描写もしっかりしており、重厚な世界観を描けているなと感じました。
生半可な画力の方だと人間は描けても、この辺りは中途半端な描写になってしまいそうですが、フジリューの作画力の高さを改めて実感しました。
銀英伝キャラクターが「敵の軍艦がこの配列なら、こっちは縦の配列!」と言った形で作戦指揮を取る形が度々ありました。その動く様子も丁寧に図解してくれており、そのおかげで銀英伝での戦争は、互いの国の知略を楽しむものなんだということをすんなり理解出来ました。マジで知略合戦してるの面白いですね。
銀英伝は魅力的なキャラが多いのですが、軍が舞台ってことがまあ人が死ぬのが今のところめっちゃ辛いです。封神演義みたいに最終回で復活すればいいのに……
しかも作品知る数年前に、ネットの「各作品鬱回まとめ」みたいなのでたまたま某超有名鬱回のタイトルだけは知ってたんですよ。でもそれが銀英伝って知らなかったので、漫画読んだとき理解して絶望しましたね。「えっ……この人がこの呼ばれ方してるってことは…鬱回って言われてるやつじゃん…えっいつか死ぬじゃん……こんな魅力的なキャラなのに嘘やろ……」みたいな。
漫画版はまだ生きてますけど今から怖いです!!
漫画版は全巻読んでしまいましたが、原作小説や他アニメは全然まだ見れてないので見ていきたいなと思っています。特に原作が完結しているので、続きが読めるのが良いですね。あのキャラは死ぬけど。
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