汐黄昏

梵我一如 将来は必ず自分らしく生きるど

汐黄昏

梵我一如 将来は必ず自分らしく生きるど

最近の記事

序章

201◯年1月の事だった。 テレビでは例年どおりタレントがお正月の雰囲気を醸し出し、町中では初売りの慌ただしさが新しい年に華を添えていた。 きっと世の中の誰しもが、新しい年の抱負を語り、また語らずともうちに秘め、今年こそはいい年にするぞと、希望に満ちていたに違いない。 私も例にもれず、そんな気持ちでいた。 ただ、ひと月もすればすっかり忘れてしまうような、淡い希望ではない。 今年は違う、絶対違う、そんな気概でいた。 期待と不安が交互に頭の中をよぎる。 来るその日に

    • まさか話しかけてくるとはな

      というわけで先日の話。 日々、誰とも絡まずに過ごすために読書をしているわけだが、何かのバグなのか、いきなり話しかけて来た奴がいた。 同じクラスの、太った男。メガネ。 彼はテニス部所属で、ギターも弾くらしい。 一度、テニスをしている姿を見た事があるが、やはり爽やか度ってのは、競技ではなくその人の身なりそのものが大事らしい。文化祭では自身のバンドも曲を披露した模様だ。 「何読んでるの?」 本心から興味があるとは思えない口調だ。いや絶対興味ないでしょ。だがとにかく俺に聞い

      • 何でこの学校に入ったんだっけ

        毎日退屈である。授業に集中でも出来ればもう少し楽しいのかもしれないが、教師も大概やる気ないし、これは俺だけのせいではなく、まぁ全体の気質の問題だろう。 一体なんでこの学校を選んだのか、授業中にちゃんと考えてみた。 軽い理由としては家から近いから。チャリ通学なのだが近いというのは本当に助かる。ギリギリまで寝ていられるし、忘れ物を取りに行くのも楽だ。いやそれはあんまり無いけど。 電車やバスで通学している方々はきっと、朝も早いだろうし、帰りも遅くなるのだろうし大変そうだ。

        • 頼むから話かけないでもらっていい?

          間違った入学をしてから半年が経った。毎日長く退屈な日々だが、既に1/6が終わったとも言える。 リフレーミングというらしい。コップの水、残量は半分。もう半分しか無い、或いはまだ半分ある、みたいなやつだ。 改めてフレーム形成を行うみたいな。社会に出ても使えそうな考え方だ。 知ってる大人は多少得して、知らない大人は多少損する。その程度の事なのかもしれないが。小手先の技術みたいなのはどうでもいいけど。 間違いに気付いた際、これからの退屈な学校生活をいかに過ごすかを考えた。

          毎日つまんねーよ

          毎日つまらん。 同じクラスの人々は楽しそうな奴もいるし、俺と同じ様につまんなそうな奴もいる。 楽しそうなグループに入って行くわけでもない。あいつら本当に楽しいのか。実際はつまんないのに、楽しいフリをしてるだけなんじゃないか。そういう意味で奴らは大人だ。きっと社会に出ても順応していく奴らなんだろうな。 一方、つまんなそうな奴と話しをするわけでもない。 俺にもプライドがある。あいつと俺は違う。 向こうもそう思ってるに違いない。俺は本気出してないだけで、クラスの中心になれる実力

          毎日つまんねーよ

          どうやら入る学校を間違えたようだな

          今年も終わりが見えて来た。このまま全てが終わればいいのに。 みんな区切りがつかないから終わらせられないんだろうな。新年を迎えると気分的に少しは希望も見える気がするし。 時は遡るが、俺は入る学校を間違えたっぽい。どうやら男しかいないらしい。 見渡す限り、同い年の男。思った以上に不自然な環境だ。 誤差はあるだろうが、男女比率は1:1が自然じゃないのか。人工的に不自然な状況を作り出してまで、大人は何がしたいんだ。 ちゃんと想像力の発達した奴らは、この違和感も前もって気付いて

          どうやら入る学校を間違えたようだな

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは〜創業者夫妻の名誉職と役員報酬

          三国志より。暗愚な二代目として余りにも有名な劉禅 古巣の社長は、いわゆる"二代目"であった。 創業者夫妻が両親であり、その会社を引き継ぐ形で経営者となっていた。 まぁ零細〜中小企業では良くある話で、それに対し、良いも悪いも無いのであるが。 社長職を二代目に譲った後、創業者夫妻はそれぞれ会長、専務へと就任していた。 深夜まで業務の続く繁忙期(残業手当は無し)すら、全く手伝いに来る事もない、まぁ言わば「名誉職」である。 まぁまぁ、これも家族経営なら良くある話…いや、そ

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは〜創業者夫妻の名誉職と役員報酬

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは〜部下は決して本音を語らない

          かつて、古巣の社長から全社員へメールの一斉送信で「今後は本音で行きましょう」とお触れが回った事があった。 (当時LINE等は無く、ガラケーのキャリアメールへ一斉送信だったな。そういや必ず出すよう言われていた日報も、個人携帯のメールから社長個人宛だったな。一回も送ったことなかったけど。) 正直な私は、以後、社長へ本音をぶつけてみた。 すると社長から「だからお前はバカなんだ」とお褒めの言葉を戴いた事を思い出した。 社長が「本音で行きましょう」というので、本音を吐くと、バカ

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは〜部下は決して本音を語らない

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは

          かつて務めていた会社が、倒産した事を知り、少なかれ動揺した。 10年残る企業が6.3%とも言われている昨今、会社があるのが当たり前では無くなった時代。 転職、独立、副業もありきで人生を考えて行く事も、もはや異論は無いのでは無いか。 特に我々、吹けば良く飛ぶ零細企業にとっては、今回のコロナショックなんて死活問題そのものですし、雨の日には傘を貸さない銀行、風向きが変わればそっぽを向くお取引先など、「倒産する理由」には枚挙に暇が無いのが事実。 そんな私がやっておくべき事は2

          古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは