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古巣の倒産に見る、零細企業の落とし穴とは〜創業者夫妻の名誉職と役員報酬

三国志より。暗愚な二代目として余りにも有名な劉禅


古巣の社長は、いわゆる"二代目"であった。



創業者夫妻が両親であり、その会社を引き継ぐ形で経営者となっていた。



まぁ零細〜中小企業では良くある話で、それに対し、良いも悪いも無いのであるが。



社長職を二代目に譲った後、創業者夫妻はそれぞれ会長、専務へと就任していた。



深夜まで業務の続く繁忙期(残業手当は無し)すら、全く手伝いに来る事もない、まぁ言わば「名誉職」である。



まぁまぁ、これも家族経営なら良くある話…いや、そういう事で話を進める。



さて、役員として名を残していた創業者夫妻は、どれだけの役員報酬を受け取っていたのだろうか。



一族経営の会社で、株式を保有し、役員となり報酬を受け取ること自体には、何も文句は言えないし、その権利は、ある。



しかし、会社を傾け、最終的に倒産させる結果となる程に報酬を得ていたのであれば、それは十分考えるに値する問題だ。



実際に倒産してしまった以上、金額設定は適正だったのかは、非常に怪しい。



因みに、こちらの会社が扱う商品、仕入に対し常に売上が見込めず、粗利益の低い商売であった。



また、仕入の買掛金の支払いサイトは1週間という、キャッシュフローを安定させる事が非常に難しい商売であった。



私自身、独立開業を目指した時には「この商売で」とも考えていたが、素人が手を出して存続出来る程、簡単な商売では無い事を悟り、別の道を模索するに至った。閑話休題。



"二代目"にとっては「自分の会社だ」という意識もあったのだろう。しかし所詮実態は、創業者夫妻の傀儡政権である。



それを「目の上のタンコブ」と呼ぶには、本体に対し、余りにも大きく育ち過ぎたモノとなっていたと思う。



せっかく創業した会社で、名誉職に就任する事に憧れるのも理解は出来る。社長の上に鎮座する、会長様は確かにカッコいい。



しかし、会社の規模(零細)、扱う商品の難しさ(キャッシュフローが○ソゲー)を知るべきであり、それを下から支える「少ない人数の」社員たちの厳しい目にさらされている事は、自覚すべきである。



結果、それは倒産という憂き目に会ってしまった結果、悲しき不名誉となって未来永劫残ってしまうのだから。


落とし穴そのニ

会社一の金食い虫は、常に経営者。名誉職もいいが、身の丈にあった報酬の設定を。


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