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「あっちこっちじゃあにー」感想。(ネタバレなし)

 主人公はお笑い芸人。以前はコンビを組んでいたが解散し、今はピンで活動している。

 全部を笑いに持ってこうとする主人公。ひたすら空回りしてしまう。でもやめない。見ていて痛い。気まずくて目をそらしたくなるシーンが続く。

 後半物語が展開する。おおう、そうだったのか~。気軽なかんじで見ていたが、そのあたりから身を乗り出して見てた。

 ラストでさらに急展開。クロマニヨンズの曲が疾走する。ほんとに?ほんとに?何だか分からない感情が噴き出し、周りに隠れながら泣いてしまった。

 主人公はただ狂っていたのか。それともやけになってしまったのか。(結末については解釈が分かれます)

 自分はこういうふうにしか生きれないというのが誰にでもあると思う。もっといい方法があると分かっていても変えることはできない。でもべつにこのままでいいかな、これが自分なんだみたいな。

 主人公にとっての最高の結末は、自分を貫くことと、最愛の人を笑わせることだったんじゃないかな。決してイタチの最後っ屁ではなく、本人にとってはそれが自然だったんだ。

 別の動機で見に行った映画だったけど、この熱量に出会えてよかった。ぜひ全国でやってほしい。


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