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イノベーション・オブ・ライフ

題名:イノベーション・オブ・ライフ
著者:クレイトン・M・クリステンセン

前回の投稿で、仕事への内省について影響を受けた本を紹介したが、さらに広い視野での内省を促してくれるのが、
こちらの本である。
この本の一番いいたいことは、最後の一文に込められていると思う。
「あなたの人生を評価するものさしはなんだろう?」(本文より)

私この本で特に心に残ったのは、以下3つの部分である。
①真の動機付けとは人に本心から何かをしたいと思わせること
②創発的戦略と意図的戦略のバランスを図ること
③戦略は自分の資源が流れている場所・資源配分プロセスに目を向けること

①はWORK SHIFTにも少し被るが、自分の意志の部分が重要だということである。
この本では衛生要因と動機付け要因を切り分けなさいというアドバイスなので、もう少し仕事に何を求めるか
という部分を具体的に分けて考えることを推奨している。(ちなみに報酬は衛生要因にあたる。)
②はキャリアの話であり、キャリアプランを考えることはいろんな人にオススメされるし、その通りに行かない
自分に悩んだりすることも多いが、偶然の要因も関係してくるので、その修正を見越しておくことの大切さを説いている。
③は読み直してみて一番自分に刺さった部分なのだが、「家族や友人との関係が人生で最も大きな幸せのよりどころの一つ」
だと筆者は記しており、こうした関係にも絶えず気を配ったり、手をかける必要性を主張している。
特にこの一文は一番心に残った。
「子どもが人生の困難に立ち向かうそのとき、あなたがそばにいてやらなければ、
彼らの優先事項を、そして人生を方向付ける、貴重な機会を逃すことになる」(本文より)

自分の戦略のことで多くの人は仕事についての戦略をイメージするだろう。
でもそれと同じくらい家庭や友人との関係にも戦略(というとちょっと硬い印象になる)が必要になる。
家庭に求める文化も自ら構築する必要があるし、それは家庭の幸せのうえで同じように重要だからだ。
この本では仕事と家庭は切り分けられていない。結局その2つは関係してくるのである。

ともすれば外へ、まだ知らない世界へ、最先端の情報へといってしまいそうな視野の先を巡り巡って自分の家庭に戻してみると、
またそこでも考えておきたいことがたくさんあった。
とはいえ、すべてが思い通りにいくわけでもないのでそのバランスはとりつつ、「自分の人生のものさし」についてまた深く考えてみるきっかけとなった本だった。

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