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郷土研究 震災シリーズ

災害は全てを奪う。
大地震からの家屋の倒壊。大津波から、原発問題。
これは福島県で郷土研究をする上で避けては通れない問題だ。
このテーマは、繊細で複雑、大きな力によってブログ発信がブロックされる可能性があるため避けてきた。
福島に住んで早6年が過ぎ、東北人の思考傾向や県民性、暮らしや気候による行動特性など、九州と比較しながら観察してきた。
それを踏まえた上で、福島を考える時期が訪れた気がする。
同じ日本人でさえ、ここまで価値観が違うのかという事実は明治維新を知れば良く分かる。
個人的には、最後まで主君に尽くた会津藩は好きだ。白虎隊はもっと大きく注目されても良いと思う。いつか上杉謙信(戦国武将で一番好)と会津藩の関係や、その精神を受け継いだ、武士道精神と大東流柔術(現在も存在する)の研究もしたいと思っている。
そういう、本物志向の福島県民(東北人)だが、長所と短所は表裏一体である。
本物を追及するあまり、視野の広さに対して無頓着である傾向も疑えない。
メジャーリーガーの大谷翔平選手(岩手県)のような、野球を極める一本槍(大谷選手は野球会では二本槍?)の天才を生む一面、ホリエモン(福岡出身)のような偉人変人は生まれ難い傾向にある。
温故知新が理想であるが、福島人(東北)は古きこそ美学を持つようである。
そしてその古き風習に巻かれるのも、避けては通れない宿命だ。

(注意・あくまでも傾向として、全ての人が当てはまる訳ではない)

九州と東北の根本的に違う所は、ここにあるかもしれない。
九州人の特性として、独立心が強い人が多い。悪い意味で、自己中心的であり、融通がきかないのも特徴だ。しかし歴史的に見て、元寇(モンゴル帝国)の襲来や、長崎貿易、韓国や中国との交流も盛んだったこともあり、視野は広く捉えていたのだと思う。
明治維新の功労者西郷隆盛の故郷鹿児島は、鎖国していた江戸時代に、イギリスと戦争している。
地政学という点で九州は、外国からの圧力から避けては通れない宿命をもつ。
この歴史的な背景を踏まえて、九州という国民性は沖縄県や、台湾でさえ、侵略と防衛の潜在的危機意識をもつ「国」だと定義出来るかもしれない。
つまり東北は、本州の日本国としての特色が強く、また中部よりも「北国の精神」を基軸にした行動規範を持っているように感じる。
しかしこの議論も今では殆んど通用しなくなってきた。江戸時代のように他県を自由に往き来出来るようになったし、いつでもネットで情報共有出来るからだ。また外国人が福島にも大分住んでいるから、今では九州より国際感覚は広がってきている。
北の国からの、北海道や北国のイメージは、大分様変わりしたようだ。
それでも、潜在意識の中にその「東北的」な所をどうしても探ってしまう旨を許して欲しい。

話を災害に戻す。
私の妻は、東日本大震災と熊本地震を2度経験した。福島では、大地震と津波、原発問題が未だ大きな課題となっている。
南海トラフや首都直下型の大地震や大津波、もしかしたら原発問題が、何処か誰かの町で繰り返すかもしれない。
私個人も熊本地震で人生が一変した一人だ。
その時、妻と出会い福島県に住んでいるからだ。
同じ日本人なのに、ここまで価値観や美学が違うのは面白いと郷土研究を始めた。
最初は、食べ物から(豚骨ラーメンと醤油ラーメンの比較、馬刺文化の違い、日本酒と芋焼酎の嗜好傾向)、オカルト分野(幽霊やUFO、スピリチュアル)、歴史などだ。
また、恋愛や結婚観など、フィールドワークにて研究中である。
それは土地の利や気候(寒い)が、特に影響を与える。それは東北の冬は厳しく、寒さは人間を絶望させる要因には十分だ。
春がくるまで、長い極寒を耐える積み重ねる根性論は、この土地に住んでみないと分からない。九州でいえば台風だが、これは一瞬で全てを奪う絶望である。そういう点では、台風と震災は似ている。その次には復興と再生、再構築である。イノベーションを好むのは、そういう理由がありそうだ。
震災を一つ取ってみても、東北と九州と捉え方は大分違うようだ。
熊本人の良い所でも悪い所でもあるが、震災後にそれをチャンスとして捉える企業は多かった。震災後は、震災バブルと言われるほど起業家が集まり熊本のGDPは拡大した。
勿論、熊本地震で不幸を被った人は多い。それは哀しむべき事実である。だが、今の時代いつ大震災や火山の噴火、戦争さえも想定しなければならない。九州人は、そういう時代の変化に強いように思う。また老人も健康で、よく働く。死ぬまで、夢を持ち働く人も多い。
東北では残念ながら、老人は腰が曲がり、夢や仕事を諦める人が多い気がする。能力は高いのに、アピールも下手で凄く勿体ない。
福島県の日本酒は、日本一に何度も選ばれている。つまり米も一流であり、水も豊かである。実は温泉処であり、海鮮物も豊富だ。
震災後、原発問題ばかりがフォーカスされがちだが、潜在的に眠っていた福島の価値が世界に飛び出している。
纏まりのない雑文になってしまったが、震災シリーズを通じて、福島再復興の一因になれたらと願う。

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