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【認知症】暖房をつけて熱中症の危険

認知症で困ることは記憶の問題だけではありません。「覚えられない」の他に「わからない」ことが出てきます。

中でも今の時期注意したいのが「気温がわからない」ことです。
暑がりや汗かきの人にはつらい今の時期ですが認知症の方の中には「極寒」と感じている方がいます。

ある日のことデイサービスの入浴利用者様を迎えに行った時です。お部屋の前に着き居室の扉を開けると29度の暖房をつけ布団に包まる利用者様がいました。

急ぎ駆け寄り布団をはがし声をかけると「寒い」と一言だけ言って再び毛布にくるまりました。

そこで驚いたのは布団の中でさらに長袖のジャージを上下着用して靴下まではいていたことです。

「これはおかしい」と思い体温を測ると「37.9℃」。すぐさま看護師に報告、医師に診てもらったところ「熱中症」と診断されました。

どおりで「寒気を感じるわけだ」とその時は納得してしまいました。

しかしこの寒気は熱中症が原因ではありませんでした。これは本人の頭の中で実際に感じている「寒さ」だったのです。

周りの人間が「そんな訳ないよ」と言っても嘘ではなく本人は本当に寒さを感じているのです。

認知症になると肌で感じた気温が大脳の体性感覚野(感覚を判別する場所)でうまく処理できなくなくなります。実際の気温に対する反応とは異なった反応として指令を出してしまうことがあるそうです。

その指令のミスによって「寒さ」と体は受け取り防寒をした結果「熱中症」になってしまったのです。

施設であれば定期的な巡回により未然に防いだり適宜調整することは可能ですが自宅だとそうはいきません。

少し家を留守にし認知症の方が”独居状態”になる場合は特に注意が必要です。

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