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OECD ポルトガルx日本∞合同授業 の実施について

 令和5年11月29日(木)17:30-19:30に、東京都中央区にある株式会社内田洋行東京本社で行われた「OECD ポルトガルx日本∞合同授業」に福島県立安積高校の教員がZoomで参加しました。

  日本OECD共同研究(事務局は東京学芸大学)が企画する「プロジェクト無限大」パイロット事業に参加している、ポルトガルのモイメンタ・ダ・ベイラの生徒・先生方が来日しています。この日は、東京にモイメンタから来日した生徒と先生、大阪から泉大津市立小津中学校の生徒と先生、郡山から郡山高校の生徒と先生、そしてポルトガルから現地モイメンタの生徒がZoomで参加しました。

 モイメンタの来日生徒は、11月30日に安積高校を訪問する予定です。

モイメンタの現地から参加した生徒

 歴史的にもつながりの深いポルトガルと日本で、「歴史・地理・シチズンシップ」を組み合わせた、合同授業を以下の目的で実施しました。

  1. 日本とポルトガルの教員が、国境を超えて責任分担をしながら、授業づくりの共創を行う。この取り組みから、教師の国際共創の価値と課題を明らかにする。

  2. 今回の合同授業のデザインに当たっては、それぞれの学校のビジョンから目指す「生徒像」を話し合い、この授業を通して伸ばしたいコンピテンシーを特定するプロセスを試みる。

  3. ポルトガルが国の戦略として考える大切な教科であるシチズンシップを深く理解し、今後の教科横断カリキュラム開発に向けての示唆を得る。

 安積高校の生徒は考査中であったため参加ができませんでしたが本校教員が複数参加しました。

教務主任による授業の様子

 また、合同授業の中で本校教務主任が、ポルトガル(モイメンタ)、大阪(泉大津市)と福島(郡山市)の3つの地域の共通点を歴史と共に説明し、それぞれの地域が挑戦している再生可能エネルギーへの取り組みや、福島の課題である「除去土壌の安全性やその処理が進んでいない現状」などについて解説しました。

内田洋行東京本社の会場で福島の現状について話をきくポルトガルの生徒

 その後、「よりよい未来を築いていくために、我々はどのような選択をしていくべきか」について、モイメンタ、大阪、郡山の生徒が協議しました

 最後にOECDのシニアアナリストである田熊氏から「ポルトガルと日本が協働してシチズンシップに関する大変面白い取り組みとなった。シチズンシップというと日本では公民科の教科書で学ぶ仰々しいイメージがあるが、今回はそのような実践ではなく、参加者が国境や地域を越え、それぞれ個人として出会い、そこから探究し、学校、地域、国へと視点が広がっていった。OECDでも対立やジレンマ、矛盾などを我々はどのように乗り越えていくのか?ということを重視している。科学的根拠と人間の感情、経済発展と環境など、大人でも解決し難いジレンマや矛盾に対して、軽やかに行き来しながら授業が進んでいった素敵な取り組みであった。」と賛辞とともに総括のコメントがありました。

総括的なコメントを寄せるOECDシニアアナリスト 田熊美保氏

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