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【詩】砂防の涙

私は
砂浜に穴を掘った

そして
その少し隣に扉を立て
扉の前に鉄格子を儲け
鍵をかけ玄関と名付けた
やっと
形の中に意味を宿す事が出来た

穴は
勿論お気づきだとは思うが
感情論や不可知論を脳の洪水から守れるよう
人間探しを準備するためのもので
決して悲しみのための
言い訳に使おうとしたわけではなかった

入る出口もあれば
出る入り口もある
そのことの真実について
すべての文言もんごん、言葉、
言説は成されるまでの
仮の姿と思え

許してくれ
許してくれ
青空を罵倒した
言霊ことだまたちが笑っている

いつかしら
大切なものは穴の中に
しまってお置きと言う
規律のようなもののために
風が吹いたのだと

知らなければ済んでしまった
日記のために
舌の上に残された砂つぶの
苦味を記憶する

私の周りには
数限りなく砂つぶがあるわけだが
それらがすべて眼であり
笑い顔かも知れない
どこかしらへの入り口?
出口?なのか
汗さえかければ
双子の門番の二の腕に
しがみつける

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