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【詩】日常

拒絶するように描かれた
白線の横断歩道を渡って
道の向こうへ渡ろうとしている
信号が変わるのを待っている
底には川が流れているだろ
人の血も
どっくんどっくん
電車のドアには確かに書いてある
「引き込まれないよう ご注意ください」
誰だって逃げ出したい
今という待ち時間から
引き込まれないように 注意深く

そんなものがないことに
すぐに気づく
だから ないものをねだることも
あり過ぎて嫌なことも
同じ天秤てんびんの上での刹那に過ぎない

言葉が日常にならないように
しているんだ
流されているだろ
自分を見失って その先に

いつものように
咀嚼そしゃくして吐き出す朝
逆さまのメリーゴーランド
小学生が全力で走ってゆく
いまだに追いつけない自分を
置き忘れてるみたいに

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