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レジメン巡りの旅(がん薬物療法版「旅のしおり」)

レジメンです。
(※レジメでもレジュメでもありません)

レジメンとは薬物療法の治療計画のことです。
薬物療法版「旅のしおり」ですね!

それでは、レジメン巡りの旅へ。



1-1.レジメンの調べ方

通院先のレジメンを事前に調べることで、“おおよそ”の流れや投与時間、スケジュールなどを知ることができます。

診察で軽く、当日は計算式が記載された用紙で、その都度説明があるはずです。でも、前もって予習しておけば、心の準備ができます。

調べ方は簡単です。

「◯◯病院 レジメン」で検索。
「◯◯病院 レジメン ◯◯科」、薬剤名がわかっていたら「◯◯病院 レジメン 薬剤名」でも大丈夫です。

byちゅらさん

基本的には薬剤部のページに紐付いているかと思います。

1-2.実例

実際に検索してみます。

乳がん治療のため、聖マリアンナ医科大学病院の乳腺内分泌外科でエンハーツの投与を予定しているケース

byちゅらさん

→「聖マリ レジメン エンハーツ」で検索。

薬剤部【がん化学療法レジメン:乳腺内分泌外科
のレジメン一覧がヒットしました。

一覧からエンハーツ【HER2陽性を選択します。 

2.レジメンの見方

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部サイト内より

どの病院のレジメンも、こんな内容です。
投与量については、係数として体表面積や体重を掛ける薬剤が多いです。

体重50Kgの場合:
エンハーツ「5.4mg/Kg」とあるので
270.0mg(=5.4mg×50Kg)
投与することになります。

※副作用によって減量する薬剤もあります。

byちゅらさん

なお、免疫チェックポイント阻害薬については、どんな方でも同量の珍しい薬剤です(正確には、体重比や割合などで計算して「使用量」を決めるものも一部あります)。

3.レジメンから見える病院のスタンス

1ページだけのシンプルなものから、数十ページにわたるものまで色んなレジメンがあります。

知らない病院でも、レジメンを通して病院スタッフが見えるような感覚になることもあります。
noteと同じですね。

4.お気に入りのレジメン

先ほどの聖マリです!
患者さんのことを考えて作成してることが伝わってきます。副作用の記載も絶妙です。情報量が多すぎても少なすぎてもだめ。パッと見てわかることもポイントです。

全診療科のレジメンリンク先】@聖マリ

5.最後に

治療内容が確定すると「製薬会社作成の冊子配付」→投与当日に「病院作成の患者さんごとのレジメン配付」の流れが一般的かもしれません。

ネットに公開していないだけで、わかりやすいレジメンを準備している病院も実はあったりします(誤解のないよう直接説明しながら伝えたいという趣旨でしょうね)。

気になるようでしたら、治療内容が確定した段階で主治医に「レジメンってありますか」と伝えると、印刷してもらえると思います。

事前にわかっているとスケジュールも立てやすいですね!

★ネット検索での注意です★
・同じ薬剤が、複数の治療で使用されていることもあります。「自分の治療」のレジメンであることを確認してくださいね!

・レジメンによって、「一般名」と「商品名」が混じっていることがあります。ご紹介した「エンハーツ®」は「商品名」ですね。
詳しくは、「医師の呪文」で混乱してしまうすべての患者さんへの記事をご確認ください。

病院ごと・患者さんごとに、内容が変わることがあります。たとえば「吐き気止め」を事前に投与するケースは多いですが、前投薬として点滴投与(点滴静注)だったり、経口投与だったり、吐き気が強く出たら両方だったり、強めのお薬に変更したり。
一人一人にベストな投薬をします!

byちゅらさん

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