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【介護】生産性の向上ってどうなのよ

例えば、厚労省はテクノロジーの活用やそれに合った仕事の進め方の変更、役割分担の最適化など、有効な手立てを話し合う委員会の設置を新たに求めていく。3年間の経過措置を設けつつ、施設系、居住系、多機能系などの全施設・事業所にこれを義務付け、業務改善に継続して取り組む体制を作っていってもらう。

ケアマネジメント・オンライン

一応言っておくが、初めて知ったことではなく、改めてふざけやがってって思ったので書くだけ。


確かに生産性の向上は大切なことではあるのだが、介護記録や国保連への請求などはすでにシステム化されているところの方が多い。これにより効率化は図られてはいるが、逆に効率を落としている側面もある。
いっそのこと手書きの方が楽だ、という面もある。

生産性の向上を話し合う、委員会の設置と言うが、一体どうやってその情報を職員たちは集めるのだろう?

大都市圏であれば、年に数回大きな展示会などがあり、情報収集の環境が無いとは言わない。しかし、田舎はどうだ。
まず、その展示会に行くこと自体に無理がある。
その上でだ、都会も田舎も同様に、その情報を収集するのに、誰がいつ行けるのか。
施設長?社長?理事長?お偉いさん?
そいつらは委員会に参加するのか?
参加するとして、そいつらが持ってきた情報を職員が吟味し、導入に向けた検討をするのか?そして稟議を書くのか?
どう考えても現実味はない。

PCを使うことによる生産性の向上もあるが、それによる非効率を生み出すこともある。
で、アホみたいに音声入力。音声で入力されたものを確認する手間が増える。もちろん便利な側面もある。

ロボット
何が便利でどう生産性が上がるのかさっぱりわからない。
職員のサポートになると言われるロボットで本当に役立つと思ったものはない。
利用者のリハビリ支援のロボットには、効果的なものはある。しかし、生産性の向上になるかと言えば、そうではない。逆だ。生産性は落ちるが、リハビリ効果は上がる。

見守り系
ベッド?移動・移譲支援?

結局はここなんだろうね。
温度センサー・起床センサー・おむつセンサー・膀胱センサーなどなど。
センサーをうまく活用し、効率をあげるのではなく、センサーに振り回され、結局はケアの質が落ちる
見守りという名の見張りだしね。

入浴・排泄?
生産性の向上を名目に、尊厳無視かよ。
機械浴の営業マンに話を聞いたら、一人は入ったことがない、もう一人は入ったけど怖かったってさ。
それで職員が楽になってなにが生産性の向上だよ。

あのさぁ、役人の皆さんよぉ。
そこまで生産性の向上を推すのなら、
・訪問介護
・訪問看護
・デイサービス
・特養
・グループホーム
で、思い切った実証実験をやってみろよ。
ヘルパーさんがQRコードで記録したものがサーバーに送られるものがどれだけ生産性の向上になるのか。
サービス担当者会議をWEBで行うことがどれだけ生産性の向上になるのか。
膀胱センサーで、そろそろ尿が出ますよーってアラート出すのがどれだけ生産性の向上になるのか。
自動排便洗浄機器がどれだけ生産性の向上になるのか。
温度センサーで起床や起き上がりでアラートが鳴ることがどれだけ生産性の向上になるのか。
インカム付けて職員同士が情報共有しながら介護をするのがどれだけ生産性の向上になるのか。

これはすごい!本当に役立つ!特養の夜勤、20人の入居者を一人で楽々見れる!とか。

入居系の日中を3:1(実質2.5:1)が、5:1でも楽々だ!とか。

食事介助を3人まとめてできる!とか。

入浴介助が一人ひとりの尊厳を守りつつ、一人の職員で3人できた!とか。

モデルケースの具体例を作るための予算くらい取れるだろ?
それから助成金だの補助金だのを出せばいい。

介護の生産性の向上は……



人の育成しかないよ。


そんな感じ。

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