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医療情報『脂質異常症』 その知識、そして改善方法とは

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3年前のある日、知人で警備員のS氏が仕事中に倒れたという話しが入ってきた。たぶん脳梗塞だったのだろう。一命は取りとめたものの、言葉が話せないという。色々とお世話になっていただけに、なんともやるせない気持ちになった。

実はこのS氏については、だいぶ以前から気になっていたのだ。かなり腹が出ていて、割腹がいいともいえるが、体は大丈夫なのことも気になっていた。ただいつもニコやかで元気がいい。本人にその話しはできなかった。

この脳梗塞の原因は、ほとんどが脂質異常症だと言われている。勤務先で行われている血液検査、もしコレステロール値や中性脂肪の値が基準を外れていたなら、すぐにでも改善するよう努力すべきだと思う。

*名称が変わった脂質異常症
2007年にその名称が「脂質異常症」に変わった。それ以前は「高脂血症」と呼ばれている。なぜそうなったかと言えば、HDLコレステロール(いわゆる悪玉)は、40mg/dlより多くなくてはいけないからだ。HDLコレステロールは、LDルコレステロールを回収する働きがある。したがって、悪玉のLD Lが多くあっても、HDLも多ければ回収してくれるので、まぁ何とかなると言うことだ。

それぞれの基準値を見ると、LD Lは140mg/dl未満。HDLが40mg/dl以上、中性脂肪は150mg/dl未満、nonHDLが170mg/dl未満となる。
ちなみにnonHDLとは、LDLだけでなく、中性脂肪内の悪玉を含めた「悪玉の総合計」と言うことだ。

*どのような病気か?
東洋医学の考え方からすると「未病」ということになる。まだ重篤な病気にはなっていないものの、いつ発症してもおかしくない状態ということだ。血液検査で、数値に異常があったからといって、ふだん何も感じる事は無い。

しかし、ある日、突如として大病を襲われ、最悪は死ぬこともあり得るという事、ここに怖さがある。さらにいえば、現代人の8割、5人に4人は、脂質異常症になっていると言う。痛みもなければ、体に変調があるわけでもない。そこでどうしても放ってしまうことになる。

心不全、心筋梗塞、脳梗塞につながる病だけに、検査で異常が見つかったならば、すぐにでも改善するよう努力すべきである。またキチンとした知識を身につければ、生活習慣を改めるだけで、著しい効果があるのも事実。ぜひ対策してもらいたい。

*取り組むべき対策は!
これはCKD、つまり慢性腎臓病のところでも述べているが、以下の順番でやっていくと良い。⑴肥満 ⑵高血糖 ⑶高血圧 ⑷喫煙 ⑸飲酒。つまり腎機能の改善は、そのまま脂質異常症にも集まるということだ。

まずとにかくは肥満をどうにかする。健康診断では、最近はメタボについても検査を行われ、人々に注意喚起を促している。へそ周りの腹囲と、BMIから割りだしている。これで引っかかったならば、すぐに改善に取りくもう。

一般には、「過食を控えなさい!運動しなさい!」となる。しかしこれでは長続きしないはずだ。効果的なのは食べる量はそのままにして、内容を変えていく。これがいい。

*3つの肥満対策
次のことをやっていこう。⑴朝、昼、晩の食べる量、その比率を変える。⑵炭水化物は、粉モノから粒モノに変える。⑶食品添加物の「果糖ブドウ糖液糖」は撮らないようにする。

それぞれ見ていくと…。
⑴夕食を減らすことだ。イメージとしては、朝3割、昼5割、夕食2割。夕食は今までの半分にするという考え方。そして眠る3時間前には何も摂らない。

⑵パンや麺類は、粉モノ炭水化物となる。これはできるだけ減らすべきだ。代わりに粒である白米にするとよい。できれば少し冷えたものならさらに良い。

⑶食品を買うときには、すべての食品の成分表示を見よう。その中に、「果糖ブドウ糖液糖」が入っていたなら、買うのは控えるべきだ。「果汁100%飲料」も中性脂肪を大幅に上げるため、中高年は摂るべきではない。これらは体脂肪を減らすには、絶対必要なことと考えよう。

*運動を継続するには
一番よいのは、普段の生活のなかで行うことだ。通勤などでは、帰りに一駅前で電車を降り、その分歩くということ。できれば普段より早歩きにする。これだけでも充分な運動と言える。

さらに「ながら運動」も良い。掃除をしながら、風呂洗いしながら、洗濯しながら…。これも運動になる。これらを合計して、1日何とか30分はおこなうようにしよう。短時間の活動でも、それを足した合計。これがクリアできれば充分と考えてよい。

まとめ
どうしても生活習慣を変えないないのなら、あとは薬に頼るしかない。最近は非常に良い薬を開発されているようだ。

2023年11月発売したばかりの「レクビオ」は、半年に1回皮下注射するだけで効果があるという。ただし、LDルコレステロールが高い場合に、第一に使われるのは「スタチン」という薬。これで効果がない場合のみ「レクビオ」を使うそうだ。

この脂質異常症、とにかく放っておいてはダメだと考えるべきだろう。心筋梗塞や脳梗塞、いざなってしまえば、家族にも多大な迷惑をかけるのだから…。その辺りを常に頭にいれて行動してほしい。

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