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[教育]新しい教育のカタチ、N高等学校とは

#教育 #N高等学校
#ドワンゴ #角川 #ニコ動  

いまだに夢にでるのが、高校での期末試験で「赤点」をとったという記憶。しかし実際には高校3年間、一度もとっていないのだが…!これはどういうことなのだろう。たぶんあの時、相当なプレッシャーがあったのかもしれない。それが時々呼び起こされるということだ。

高校は、大学の附属校だった。つまり高一の1学期から高三の2学期までの全科目総合点数で大学にいけるという仕組みだ。1科目も気を抜くことはできない。1学年5百名はいたが、4百名だけが大学にいくことができる。また、席次により入れる学部学科が違ってくるという仕組みだった。

あまり勉強が好きでない自分にとって、とにかく振るい落とされないことだけを考えていた。高校3年間ずっとクラスは一緒でその顔ぶれも同じだったが、その3年間に5名ほど中退したことを記憶している。理由はそれぞれ違っていたとは思われるが、よく考えると勉強についていけなかったのが一番おおきかったのではないかと感じている。

人それぞれ得意・不得意はどうしてもある。さらに担当教員との相性もあるだろう。この附属校、それなりに学力は高かったようだ。教員も、授業の進め方に問題(進みすぎ)もあったかとも思う。

*画期的な高校
個々人の学力に応じた学びの場があれば、途中でやめてしまうなどということがないのになぁ!と思ったりもしていた。最近知ったのが、N高等学校。個々人の学力にあわせたまったく新しいカタチの通信定時制高校だという。

まず入学するのに学力試験がないというところがいい。ほとんどの子供は、面接だけで入れるようだ。しかも費用もそれほどかからないという。これはありがたい話しである。出版社(メディア)の角川とITニコニコ動画のドワンゴにより2016年に設立された。話しによると、定時制高校教師の奥平博一(現N高校長)が、ドワンゴにこの計画を持ち込んだことで始まったという。

*N高等学校とS高等学校
始まった当初、生徒数は1800人余りだったが、現在は姉妹校のS高等学校との合計で、その数は2万5千人を超えたという。人気の理由は、もともとおこっていた「ニコ動」のインタラクティブ(双方構成)にある。ウェブ媒体をつうじての双方向のやりとり、その技術に抜きんでいたことが教育の現場にマッチしたものと思われる。

費用は年額で、通信教育65,000円、定時制で65万円だという。この金額をどう見るかはさておき、ここの出身者は有名大学に数多く入っているというのが魅力のようだ。個々人に合わせたカリキュラム、様々な質問にも対応している事は大きいといえる。

*一般の定時通信校、学力にばらつき
一般的な定時通信制の高校が高等学校の生徒の学力は、偏差値43くらいと言われている。全日制の高校出身者、その6割が大学まで進むが、定時通信制の場合、2割に満たない。

自分の経験でも、全日制で授業についていない生徒がかなりと記憶している。本来なら補修授業があってしかるべきだが、それがなかった。時間が限られている定時通信制なら、なおのことそうならざるを得ないだろう。

*直近のデータから見ると
2022年の文科省の資料をみると、全国で高校への進学率は、98.9%になるようだ。中学卒業生が全国で百万人と想定すると98万人。そのうち5%、50,000人弱が通信定時制高校に入っている。比率は、通信2にたいして定時5の割合。

日本の教育、その質も近年問題とされている。世界の大学をみるとトップ100位までに入った日本の大学は、わずか3校。あきらかに遅れをとっている事は間違いない。また、社会においても良いとされる大学を出たからといって、希望の職につけるとは限らない。本物の教育改革が求められるところだ。

*まとめ
最近いわれているのは、世界は実力主義の時代に入ってきているという点だ。一流大学を出たからといって、世界で活躍することはできないということ。真の実力をつけるということは大事だろう。

その意味において、若い頃の高校生あたりから、自分の秀でたところを伸ばすことは大事になってくる。今回紹介したN高等学校S高等学校その辺りをよく考えた取り組みといえるのではないだろうか。コロナ禍で、自宅で学んだ人たちは多いようだが、一般の学校での通信カリキュラムは充分には整っていないという話しを聞いた。

この画期的な仕組み、もっと多くの学校が採用すべきといえるのではないだろうか。官僚中心で仕組みが回っている日本ではなかなか難しいと思うが…。

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