想樹 詩 いつもある。 そこに在てくれる。 旅立ちの朝、 陽が山間から顔を出す。 ここから始まる。 『何か』が嫌なわけじゃない。 でも、『何か』が欲しいんだ。 だから、 僕はここから旅立つ。 別れは昨日の夜に。 浴びるほどのエールも 今は乾きの中。 再会は或るのだろうか… 一抹の不安はただそれだけ。 「いってきます」 誰に言うまでもなく、歩き出す。 「いってらっしゃい」 初めの一歩を 夜露に光る葉が 風と共に導いてくれた。 樹はいつもそこに在る。

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