刀を亡くした侍に、鉛弾の祝福を。#4 (トレモズAct.2)
前回のあらすじ
謎の女・ツインによる襲撃! 応戦するシトリであったが、その腹に熱線を撃ち込まれ、さらに刀も折られてしまい──?
「噂に違わぬ強さねぇ、あなた」
余裕の表情でシトリを見下ろすツイン。確かに腰で分断したはずのその身体は、いつの間にやら元に戻っていた。
「お前……何者だ……」
「あらあら、”誰何はしない。死ね”とか言ってたくせに」
床に伏して呻くシトリをツインが嘲笑う。彼女はヒールを鳴らしてシトリに歩み寄ると、その傍に転がる折れた刀を拾い上げた。
「トレンチコートのサムライ・シトリ。噂に名高い萬屋も、刀がこれじゃもうだめね」
呟くようにそう言って、ツインは刀を無造作に放り投げる。その右手が再び展開し、銃口のようなものがせり出してきた。
「ごめんなさいね。あなたに恨みはないのだけど、これお仕事だから」
その先端から熱線が放たれようとした──その時!
バンッ!
バーの扉が荒々しく開き、ボディビルダーめいた体格のバーテンが飛び込んでくる!
「!」
「ォォオオッ!」
バーテンはツインに向かって一直線にタックル! ツインはしかし、冷静であった。シトリに放とうとした熱線を、バーテンへと向けて射出! 爆発音とともに、バーテンの姿が爆炎に包まれる!
「不意打ちのつもりかしら? 甘い──」
「お前がな」
勝ち誇ったように言うツインの足元から、声。
瞠目し視線を落とした先には、モッズコートを着た格闘家が拳を構えていた。
(つづく/本編530文字)
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