福島県、会津若松市。

　幕末、白虎隊の逸話が残る鶴ヶ城を観光地として抱え、あの名高い日本酒・寫樂(しゃらく)を作る宮泉酒造のある、桜と雪と酒の国。

　東京から新幹線で郡山まで1時間半、その後在来線で約2時間どんぶらこと揺られた先にある秘境。郡山からだと車で行くのも電車で行くのも所要時間があまり変わらない。ただ車だと途中の磐梯山あたりでめちゃくちゃ雪に降られる、そんな秘境。

　僕らが出逢ったのは2年前、この雪国に初めて訪れたときだった。

　え、僕と誰が出逢ったかって？

　そんなこと決まってるでしょう。

　あかべぇですよ。

　あかべぇは伝統工芸品「赤べこ」をモチーフにしたゆるキャラです。赤い身体と大きなお目目、キュートな尻尾がチャーミング。可愛いよね。超可愛い。

　でもよく考えてほしいのだけど、赤べこってもうその時点で牛をデフォルメしたものじゃないですか。それをさらにデフォルメするっていう多重文脈っぷり凄くないですか。チョーカワイイ。多重デフォルメのせいで他のゆるキャラとは一線を画す存在感を示している、そんな子です。

　あかべぇはどこにでもいます。例えば磐越西線の列車とか、

　会津若松駅のカンバンとか、

　売店やコンビニにもいます。ピンバッジや靴下なんかも売っています。コンビニで。

　イベントによっては、あかべぇは二足歩行をします。チーバくんと並んだりもしています。カワイイネ！

（道の駅あいづのブログ記事より引用）
めちゃくちゃ可愛い。遭遇したい。

　ゆるキャラが結構好きなんですが、あかべぇはダントツ一番好きです。2年前の出会いが全てを変えました。

　ちなみにそれまでの第1位は、山口県豊北町のほっくん。

（ほっくんオフィシャルサイトより引用）
しんぷる・いず・きゅーと！

（ほっくんオフィシャルサイトより引用）
おめかしした姿もカワイイネ！

　あとは石川県のひゃくまんさんとか、

（ひゃくまんさん公式ホームページより引用）
身体をぶち破って手足が生えてるのチョーカワイイ。

　佐賀県鹿島市のかし丸くんもチョーカワイイ。

左：ゆるキャラグランプリ紹介ページより引用
右：鹿島市ホームページより引用
王道のキュートさ。立体になってもカワイイ。

　いやほんとみんなチョーカワイイ。ずるいよね。カワイイ。

　……でまぁ、なんで突然こんな記事を書いているかというと、ちょっと今週は会津若松に行ったんですよ。出張で。

　でですね。

　買っちゃった。えへへ。

　だって2000円だよ……？　ひとかかえもあるサイズの子が2000円だよ……？　キャラクターのぬいぐるみとしては異例の安さじゃない……？

ぐわし。

　こんなサイズ感。お顔はハードめ。

　嗚呼カワイイ。チョーカワイイ。

　なんかもう、あかべぇをもふもふしてるだけでお給料がほしい。

「失礼ですが、お仕事は？」
「あかべぇをもふもふしています」
「え？」
「あかべぇをもふもふしています」
「あかべぇ？」
「あかべぇをご存知ないんですか！？　あかべぇがいるのは福島県、会津若松市。幕末、白虎隊の逸話が残る鶴ヶ城を観光地として抱え、あの名高い日本酒・寫樂(しゃらく)を作る宮泉酒造のある、桜と雪と酒の国──」

　みたいな話をしたい。

　お酒を飲みながらあかべぇをもふもふしたり、ゲームをしながらあかべぇをもふもふしたり、息をしながらあかべぇをもふもふするだけでお賃金がほしい。あかべぇをもふもふしたい。

　ゆるキャラのデザインする人も、人間大の着ぐるみを作る人も、本当にすげーって思うんですよね。でもあんましデザイナーさんの名前が公開されていなかったりもするので悲しいですね。デザインした作家さんを褒め称えたい。そのデザインでOK出した自治体の人も褒め称えたい。再現度高めのぬいぐるみを作った人のことも褒め称えたい。最高。

　会津若松市におかれましては、今後ともこの調子であかべぇを推し続けていただければと存じます。本当に。心の底から思います。需要はある！　少なくともここにある！　カワイイよあかべぇ！

　とめどなく溢れる思いをタイピングしたら収集がつかなくなってきた。

　とにかくあかべぇを、そしてほっくんやひゃくまんさんやかし丸くんをどうぞよろしくお願いします。

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