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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その5 慶長の遣欧使節団とシェリー酒 本日の紹介酒 菊正宗 上撰 生酛 本醸造パック (兵庫 灘)

慶長の遣欧使節団は長期間スペインのシェリー酒の醸造所に滞在していた

この使節団は長期に渡りスペイン内のシェリーの醸造所に滞在した事が(伊達政宗の遣欧使節 松田毅一著)には出ていました。直接、日本酒造りと関係ないと言われればそれまでだし、シェリー造りでは日本酒と全く同じでは無いですが、ワインにブランデーを加える目的は、お酒の味わいをスッキリさせる事と、お酒の保存性を高める事です。

スペイン ワイン造り ブドウの足ふみ Spainteca

山卸を足踏みで行う作業とシェリー酒の足でブドウをすり潰す作業

また、シェリー造りの過程では足で葡萄をすり潰す工程が有り、現代でも菊正宗酒造では、櫂を使わず長靴をはき足で山卸の作業を行っています。

※画像はスペイン リオハのワイン造りのブドウの足ふみ(Spaintecaのページより引用しました)

日本でのワイン造りについて

1627年(寛永4年)には、小倉藩細川家にてワイン造りが行われていたことを見ると、慶長の遣欧使節が、日本にワイン造りの技法を持ち帰っていたと考えるのが自然であると思われますし、仙台藩の酒造り所にも葡萄酒を作っていた記録が、酒造り所の記念碑に見られました。(ただ、一説には仙台藩での葡萄酒造りは焼酎に葡萄を漬け込む方法にて作られていたとする説が有力ではありますが、この説では1627年に日本で本格的な葡萄酒造りが行われていた事の説明は出来ないので、ある程度ヨーロッパでのワインやシェリー酒造りの技術を基にした試験的な酒造りが仙台にて行われていたと考えるのが自然では無いかと思われます。)

他の初期の手酛の作業の参考になったと考えられる方法

その他に山卸の手酛の参考になったと考えられるのが糠漬けの方式で、確かに糠漬けの糠に野菜を付ける方式は手酛を行った場合には非常に参考になった方式だと考えられます。

銘柄 

菊正宗 上撰 生酛 本醸造パック (兵庫 灘)

主体となる香り

原料香主体、淡い柑橘香と淡いハーブ香有

感じた香りの具体例

炊いた白米、サワークリーム、マシュマロ、千歳飴、スダチ、甘夏、和梨、シャルドネ、スペアミント、若草、瓜、クレソン、ミネラル、カシューナッツ

具体的に感じた味わい

ふくらみがありキレの良い飲み口、ふくよかでしっかりした旨味が主体、後味はシャープにキレる、サワークリーム、千歳飴、スダチ、スペアミントを思わせる含み香

このお酒の特徴

ふくらみがあり、しっかりとした旨味を持ち、シャープな後味の醇酒

温度設定のポイント

20℃前後にて、ふくらみがありシャープな切れ味を引き出す
50℃前後にて、ふくよかで柔らかくなめらかな味わいを引き出す

この日本酒に合わせてみたい食べ物

レアチーズケーキ、鰆の西京焼き、鯖のへしこ、アジのひらき、秋刀魚の塩焼き、鶏の炭火焼、桜鯛の天ぷら、桜海老のかき揚げ、鯖のきずし等

※日本酒の画像は菊正宗酒造ホームページより引用しました。

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