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バイオハッカーセンターJAPAN

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Biohacking

バイオハッカーセンタージャパンが提唱する「バイオハッキング」とは最先端の科学やテクノロジー、生理学、栄養学、そして人類の歴史や受け継がれてきた良い伝統を活用して健康で幸福な状態(Well-being) とパフォーマンスの最適化を目指すことです。またBHCジャパンのバイオハッキングはサイエンスの視点からではなく自分自身と向き合い「自己の彫刻」を彫るためのアートでもあります。

Intersection of Art and Science

真の健康やウェルビーイング(健康で幸福な状態)を手に入れるためには長期的な生活習慣が必要不可欠であり、還元主義に代表される短期的なアプローチでは解決できません。あなたの人生が一瞬で最高になる秘訣の薬、流行りのダイエット、運動、お金の稼ぎ方が存在しない事と一緒です。BHCジャパン代表・松田干城が掲げる「Biohacking」とは「Holism」(全体論)であり還元主義のソレとは正反対の考えです。長い間、人類の健康やウェルビーイングを手に入れる唯一の方法は人類遺伝学の謎を解く事と考えられていました。

しかし複雑な環境要因がどれだけ重大で、多大な影響を我々に与えるのか、ということが分かってきたのはつい最近の事です。個々の遺伝子を理解する上で、環境がもたらす生物学的反応(エピジェネティクス)がそれぞれの遺伝子情報の機能をコントロールすることが分かってきています。現代人の多くが様々な健康についての情報や知識があるのにもかかわらず、実際に行動に移している人は少ないです。1日2日で習慣や生活様式を変えられるならば誰も苦労はしません。しかしあなた自身の環境を「ハッキング」する事は一瞬で可能かもしれません。

日本のバイオハッキング

BHCジャパンの提唱する「バイオハッキング」を説明する前に簡単なBiohackingの歴史を振り返ってみましょう。元々の語源は1988年に「DIYバイオ」と言う言葉が生物学界に浸透しました。その概念から「Biohacking」と言う言葉が生まれ、「生物」や「遺伝子」など、おもに「生物学」にまつわる課題を「ハック」しようと試みる、知識を有する研究者の中だけで使われていました。IT・電子技術が歩んできたように遺伝子・バイオ技術も企業や大学の研究室を飛び出し自宅で取り扱える時代が来ると、かつて有名IT企業が自宅のガレージから始まったように、個人が自宅でバイオテクノロジーの革命を起こそうと日々過ごす集団が元々の「バイオハッカー」達です。

いわゆるメイカーズムーブメントと呼ばれた。自宅でや3Dプリンターなどの「ものづくりの民主化」が起こり、ウェブ世代が現実世界と交わった結果、世界中のガレージがオンライン化しオープンイノベーションを通じて世界中の仲間と共造が可能になりました。現在、著しい研究分野の急速な成長は決して一つの分野で成し遂げられるものではありません。例えばIT分野と共同研究、他分野と他分野の共同開発を通じて近代の発明や技術の進歩は予想以上に早くなりました。時が経つにつれて「バイオハッキング」と言う言葉は健康的で、有意義で、満ち足りた暮らしを求める私たちが「QOL(生活の質)」を高めるために行う行為全般を差すようになりました。

2014年にフィンランド、ヘルシンキにて初のバイオハッカーサミットが開催され近年の予防医学、フィットネスの可視化、ウェルビーイングの再定義が一般に広まりました。2020年の現在は「Biohacker」「Biohacking」は欧米を中心にトレンドワードです。ご縁あって私、BHCジャパン代表・松田干城はフィンランドで行われた学会に招待され、本家バイオハッカーセンターとパートナーシップを締結致しました。彼らと同じ考えを持っていたせいか、DIY(Do It Yourself)バイオではなく、「科学、テクノロジー、そして自然を通じてより良い人生を送るためのバイオハッキング」を日本に広めていきたいです。

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バイオハッキングを通じて、個々が理想のライフスタイルを構築するためには長期的な努力が必要です。ご存知の通り、より良いウェルビーイングを手に入れる為の特効薬はありません。健康とウェルビーイングを高める為にホリスティックな心技体の向上は多数の手法を同時に実行することによって獲得されます。つまり我々が目指しているのは複合作用の示す「1+1=3」であり、あなた自身のウェルビーイングの改善は様々な方法が交わった結果によって達成されるのです。ホリスティックなアプローチを例として挙げるなら、不眠症を解決する為に睡眠薬に手を出すのではなく、睡眠導入を施す栄養学に基づいた食事や生理学に基づいた運動、その他環境因子の最適化を施す手法です。

バイオハッカーセンターJAPANが主題とする「健康・ウェルビーイング」は時に矛盾を生じることがあります。ひと昔前の常識が今では非常識だったりと、人々の理解力には限界があったりとホリスティック(全体的)なウェルビーイングや究極の健康を手に入れる為の秘訣に辿り着くことすらできないかもしれません。しかしBHCジャパンの提唱する「バイオハッキング」のコンセプトで最も強調したい部分は「予防医学」であり、健康促進は病気の治療より安く有益である事は「予防は治療に勝る」の言葉通り、病気になってから治療するより、病気を予防する方が重要だということはご存知であると思います。

そのような予防方法は最新の研究結果、食事法、サプリメント、そして機器を通じて知れ渡っていない革新的な「予防」ができる、もしくは可能かも知れません。しかしそれらが多くの人々に認知され、経済的に負担にならず実行できるか?と言えば答はNoです。また臨床実験で証明されるまで待っていれば人生は終わってしまいます。とても高価な「予防」方法は一部の方しか実行できません。お金をかけずにバイオハッキングする事は可能ですし、むしろお金をかけないバイオハッキングが一番大切で「基本」なのです。

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BHCジャパンの提唱するこのような取り組み方は知識あふれる科学者、医者、健康促進を目的とした活動に従事するプロフェッショナル達が日々、試行錯誤するのと同じです。あなたのゴールは一個人として「何があなたの生活や状態に最良の結果をもたらすか」といことを組織的に特定することです。流行りや誰かのアドバイスに左右されず、自身の体と向き合い、体の機能や能力を認識し、その潜在能力を最大限に発揮し、あなた自身の考えや行動であなたの最高を手に入れましょう。BHCジャパンが築きたいコミュニティーはそんな考えを持った同士達が集まり、意見交換や共通のゴールを共に目指すところです。

私が懸念している「バイオハッキング」の一部、「ハッキング」は日本ではあまり響きが良くない言葉です。BHCジャパンの提唱するバイオハッキングはマサチューセッツ工科大学から広まったシステムシンキングを主に取り入れた生活です。人間という生き物は様々なシステムによって成り立っています。バイオハッキングのゴールはその様々なシステムがどのように働くかということを理解することです。このような説明をするとバイオハッキングはサイバネティックス(人工頭脳学)と比べてしまうかもしれませんが、同じように「インプット」「プロセス」「アウトプット」「フィードバック」の概念を理解することが重要です。人間という生き物は生きている環境との関係に折り合いが良好な時に最良な状態になると私は信じています。システムシンキングを通じて我々は様々な環境因子との関係に左右されるか読み取ることができます。幅広い環境因子との相互作用と良好な関係を保つことがより良い人生を送る秘訣ではないでしょうか。

環境因子をハックする為、従来の食事や運動以外にも幅広く活用できるバイオハッキングのコンテンツは結局「健康オタク」と言われるものなのでしょうか?それでは日本で「普通」の生活をしていれば、統計が示す大多数が癌や生活習慣病になり、男女平均して10年前後は自立して生活できない期間を経て人生を終えます。健康寿命を短くさせる要介護、要支援になる要因は運動不足による運動器障害です。これは防ぐ事のできる要因であり、癌を含めた多くの生活習慣病は近代以前は存在しませんでした。人類の歴史上、特に近代の我々は多くを手に入れたと同時に多くを失ってきました。我々の祖先が生活してきた環境、生活様式、そして伝統の多くは文明発展と同時に失いつつあります。果たして現代において「普通の生活」をしている人々は大多数の方でしょうか?共に「普通」を疑い、日々学び、理想のウェルビーイングを手に入れましょう。

終わりに、松田干城が定義するバイオハッカー達の片足は近代のテクノロジーや人類の英知が集結した異空間の上に立ち、もう片方の足は緑生茂る母なる地球の大自然の上に立っています。先祖が残してきた良い伝統や風習を大切にし、最先端技術を活用して共に充実した人生を歩んでいきましょう。

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