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テニス上達のコツは”テニス以外"のところにある!〜スポーツ万能になる為には〜


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“「スポーツ万能」な子どもの育て方”という本を読みました。
今のテニス界の動きが本当に合っているのか、全国のトップの選手がそうしているからと同じようにテニス漬けにすればいいのか考え直せるとても良い本でした。

早くから特定のスポーツに特化する危険性

アドバイザーを務めているいわきスポーツクラブのサッカーチーム「いわきFC」の育成チームでは入団テストとして小学6年生にフィジカルテストをした結果
20mシャトルランと,上体起こしの記録だけが飛び抜けて良く、18歳の平均値まで到達していたそうです。
また、長座体前屈と立ち幅跳びは全国平均を下回り、小学校低学年平均の結果だった。

とにかく周りよりも走り込みで持久力を上げて、体幹トレーニングをして周りよりも一時的に体が強くなれば、ジュニア時代ではアドバンテージになりえます。

スポーツの駆け引きなどが上達しなくても、圧倒的持久力とパワーで同じ年代の選手に勝てば地域大会を勝ち上がり、関西大会、全国大会に行けるかもしれません。

でもそういった勝ち方をしてしまった場合、周りも身体が成熟し、トレーニングも当たり前の学年になりフィジカルの差がなくなった時に戦い続けられるのでしょうか。高校大学までプレーしているのに小中学生の頃がピークだったという人、周りで聞いたことありませんか。

世界レベルで考えると日本人の体格は大きい方ではありません。基本的にフィジカルのアドバンテージは無いものとして戦い方を考えていく必要があると思うので、ジュニア時代に今勝てればそれでいいという考え方だと国内で培った戦い方とまったく違う戦い方を急に強いられる可能性もあります。

世界に出なければしなくてもいいのか
もしかしたらそうかもしれません

世界レベルに行った時のちょっとした差になるだけなら、別にそこまで目指してない時はしなくてもいい。確かに国内で学生時代だけ勝てればいいという考え方のご家庭ならそういった取り組みも目的には合っていることもあるかもしれません。

多様な運動経験は誰にでも必要

でも現場でいろんなジュニア選手を見ていて感じるのは、テニスを初めて数年の段階から多様な運動経験の差は出ているということです。

例えば、主にバランスだけに集中する、平均台や、ジェーボー(最近子どもたちがよく遊んでるスケボーみたいな乗り物)に乗れない、片足立ち中や前回り後にバランスが取れない子がいるとします。
その子がテニス中に相手とラリーをしながら、自分の体のバランスを取れるでしょうか

その子に取ってテニス中にバランスを取ることが難し過ぎる課題だとプレー中にいくらアドバイスしても出来ないものは出来ませんよね。その子にとってキャパオーバーだと大は小を兼ねないかもしれません。

他には、
キャッチボールで飛んでくるボールをキャッチ出来ない、思ったところに投げられない子がいたとして。

その状態で、テニスのようにバウンドしたり、回転したりするボールを正確に予測して、更に道具を使って打ち返せるかどうか。テニスでは打ち返せるのを当たり前にしながら、どうしたら相手にミスさせるかどこに打つか判断してプレーしないといけません。

キャッチボールくらい余裕という子とそうでない子では、もっと難しいタスクになった時に他の事を考える余裕が全然違うのは誰にでも分かると思います。

・海外選手と対峙し始めた時
・中学・高校になってフィジカルが強い選手が多くなってきた時
・頭を使ってプレーする選手が増えて来た時
テニスが始めた瞬間

1人1人のステージは違えど多様な運動経験を積むことが成長の助けになることが多いのかなと本を読んでいて思いました。

テニスはシステム的に、早い時期に戦績を出せばシードに入り良いドローで戦えてより勝ちやすくなります。
なので、早熟で早い段階から高いレベルでテニス出来たほうが有利ではあります。

ですが
1つのことだけに特化してその年代、その地域の中で上位に行ってしまうリスク
短期的な勝ちにだけこだわってしまうリスク
を十分に考える必要があります

小学校の頃がピークだったんじゃないかという選手の笑い話もテニスではよく聞く話です。

テニスを始める

テニスが上手く行かない

もっとテニスをさせる

お金と時間を掛けてスポーツに特化させる

多様な運動経験が減って余計に思ったような結果から遠ざかってしまう。上手くいかず子供も楽しくない

テニス始める

テニスが上手く行かない

テニスも練習しつつ、他の楽しめる遊びもいっぱいやる

身体能力が上がってテニスの練習の質が上がる

テニスが上手くなる

まとめ

・一見関係ないような遊びも興味を示したらやってみる
楽しくない、興味がないと子供はめったに継続しない、自主的に動かない

・目の前の結果に焦りすぎずそういえば苦手のまんまにしていたなという小さい頃の遊びを練習して出来るようにしていく

サポートしているジュニアチームではそんなことも頭に入れながら、トレーニングプログラムを作っています。
大人が焦って子供の可能性や楽しみを奪わないようにしたいです。

キンドルで読めるのでぜひ本も読んでみてください!

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