「いい『人』というのが存在するのじゃない。いい『関係』が存在するのだ。」
自分にとって都合が悪い関係になったからといって、相手のことを「いい人じゃない」「悪い人だ」と思わない人でありたい。
万人にとって「いい人」という人は存在しない。
私が「いい人」だと思う人のことを、他の人も「いい人」と思うとは限らない。
逆も然り。
恋人や夫婦を考えると分かりやすい。
いろんな組み合わせがあるけど、相性がいい人を選び、「いい関係」を築いている。
でも、付き合ってる時や結婚生活がうまくいっているときは「いい人」だったのに、喧嘩したり別れたりしたら「いい人じゃない」ということになってしまうこともある。
それは、「いい関係」じゃなくなるから。
「いい人」を定義しようとすると難しい。
・物腰の柔らかい人
・困った時に手を差し伸べてくれる人
・いつもニコニコしている人
・怒らない人
・意地悪してこない人
・わがままを言わない人
・自分を慕ってくれる人
・たくさん褒めてくれる人
たくさん思いつくけど、これといったものに絞り込めない。
集約すると、銀色さんが言うように、「いい関係の人」なんだろうな。
だから人によって定義が違うんだろうな。
職場で、特に女性に多いけど、「あの人、いい人だよね」という会話をする人たちがいる。
その場では私も合わせて頷いてるけど、「いい人」という表現がいつも少し引っかかっていた。
「いい人」という表現が、ポジティブに見せかけて、実は「自分にとって都合のいい人」というネガティブな意味だからかな。
「いい人」の後に付け足されるエピソードも、「仕事を押し付けてこない」「無理難題を言ってこない」「お願いしたら引き受けてくれる」という類のものが多い気がする。
私もつい使ってしまうし、他愛ない雑談なのでそこは聞き流しておけばいいけど、そうやって「いい人」「悪い人」というように、敵味方で分類されてるということだ。
使う表現は違っても、誰でも、無意識に敵味方の判断をしてるはずだ。
人は出会って数秒で敵か味方を判断するとも聞いたことがある。
そういえば、男性が女性に言われて嬉しくない言葉の上位に「いい人」が入ると聞いたことがある。
女性にとっても嬉しくないと思うけど、やっぱり「どうでもいい人」に聞こえてしまう。
「印象に残らない」とか「興味ない」とは言いづらいから、当たり障りのない表現でごまかす。
家族は切っても切れない関係だし、友達や恋人も付き合いが長いほど愛着が湧いてしまうけど、職場の人や付き合いが浅い人たちとは、関係が悪くなると、「いい人」だった人が、瞬時に「悪い人」になってしまう。
どんなに好きな人でも、どんなに気が合う人でも、価値観が100%一致することはあり得ない。
価値観が同じだから惹かれ合って友達や恋人になったのに、ちょっとすれ違いがあったからといって、「悪い人だ」とか「裏切られた」などと思わないようにしたい。
好きな気持ちが大きければ大きいほど、嫌いになる気持ちも大きくなるものだけど。
「いい人だと思ってたのに、実は悪い人だった」と捉えるのではなく、「関係が悪くなった」という事実に目を向けると、自分にも非があることに気づけるのかな。
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