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「いい『人』というのが存在するのじゃない。いい『関係』が存在するのだ。」

相性って自分との関係、
組み合わせということだ。

いい「人」というのが存在するのじゃない。
いい「関係」が存在するのだ。

   
銀色夏生
   (詩人、随筆家、作詞家、写真家)

心を輝かせる名言集


自分にとって都合が悪い関係になったからといって、相手のことを「いい人じゃない」「悪い人だ」と思わない人でありたい。


万人にとって「いい人」という人は存在しない。

私が「いい人」だと思う人のことを、他の人も「いい人」と思うとは限らない。

逆も然り。


恋人や夫婦を考えると分かりやすい。

いろんな組み合わせがあるけど、相性がいい人を選び、「いい関係」を築いている。

でも、付き合ってる時や結婚生活がうまくいっているときは「いい人」だったのに、喧嘩したり別れたりしたら「いい人じゃない」ということになってしまうこともある。

それは、「いい関係」じゃなくなるから。


「いい人」を定義しようとすると難しい。

・物腰の柔らかい人
・困った時に手を差し伸べてくれる人
・いつもニコニコしている人
・怒らない人
・意地悪してこない人
・わがままを言わない人
・自分を慕ってくれる人
・たくさん褒めてくれる人

たくさん思いつくけど、これといったものに絞り込めない。

集約すると、銀色さんが言うように、「いい関係の人」なんだろうな。

だから人によって定義が違うんだろうな。


職場で、特に女性に多いけど、「あの人、いい人だよね」という会話をする人たちがいる。

その場では私も合わせて頷いてるけど、「いい人」という表現がいつも少し引っかかっていた。

「いい人」という表現が、ポジティブに見せかけて、実は「自分にとって都合のいい人」というネガティブな意味だからかな。

「いい人」の後に付け足されるエピソードも、「仕事を押し付けてこない」「無理難題を言ってこない」「お願いしたら引き受けてくれる」という類のものが多い気がする。

私もつい使ってしまうし、他愛ない雑談なのでそこは聞き流しておけばいいけど、そうやって「いい人」「悪い人」というように、敵味方で分類されてるということだ。

使う表現は違っても、誰でも、無意識に敵味方の判断をしてるはずだ。

人は出会って数秒で敵か味方を判断するとも聞いたことがある。


そういえば、男性が女性に言われて嬉しくない言葉の上位に「いい人」が入ると聞いたことがある。

女性にとっても嬉しくないと思うけど、やっぱり「どうでもいい人」に聞こえてしまう。

「印象に残らない」とか「興味ない」とは言いづらいから、当たり障りのない表現でごまかす。


家族は切っても切れない関係だし、友達や恋人も付き合いが長いほど愛着が湧いてしまうけど、職場の人や付き合いが浅い人たちとは、関係が悪くなると、「いい人」だった人が、瞬時に「悪い人」になってしまう。


どんなに好きな人でも、どんなに気が合う人でも、価値観が100%一致することはあり得ない。

価値観が同じだから惹かれ合って友達や恋人になったのに、ちょっとすれ違いがあったからといって、「悪い人だ」とか「裏切られた」などと思わないようにしたい。

好きな気持ちが大きければ大きいほど、嫌いになる気持ちも大きくなるものだけど。


「いい人だと思ってたのに、実は悪い人だった」と捉えるのではなく、「関係が悪くなった」という事実に目を向けると、自分にも非があることに気づけるのかな。


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