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イエスの誕生と死がセットになっている

ルカ2:1-14 
 
クリスマスといえば、ルカ伝のこの箇所を開かねば始まりません。ルカ自身、ここまで用いられるとは思っていなかったのではないでしょうか。皇帝と住民登録のことなど、必ずしも正確に記したとは言えず、研究者に後世突かれることになりました。果たして身重の女をかくも困難な旅へと強要する権力とは何だったのか、現代人には理解し難いものです。
 
マタイほど、旧約の預言を表に出すこともなく、それでもやはり舞台はマタイと同じベツレヘムとしています。神殿を目指して十字架へ向かう旅を、イエスは人生の終わりに再び歩むことになります。ルカの書き方から、イエスが動物たちのいる最中で生まれたと思われもしたし、宿屋の主人の意地悪さが際立つようになってしまいましたが、さて。
 
イエスは木製の桶に、生まれてすぐに寝かされます。同じ語さえ用いて、木製の杭の上で死ぬことになります。客間に通されなかったのは、この桶の前提としてのはずです。この出来事を目撃し、証人となるのは羊飼いたちです。卑しく、粗雑な人間性の代表として差別されていた者たちこそ、天使の光が当たり、イエス誕生の証しを立てることになります。
 
それは、小羊の生け贄のように、罪の贖いのために献げられるイエスの姿を証しする立役者となったようにも思われます。このベツレヘムはダビデの町と呼ばれまた。栄光のイスラエルの王のように、神の国の王が再びそこから生まれるに相応しい場所と考えられました。決して、ただのロマンチックな設定ではありません。
 
小羊イエスを思わせる羊飼いたちへ、天使のメッセージが告げられます。それは「すべての民に与えられる大きな慶び」でした。「救い主」の現れでもあり、「主」でもあり「キリスト」でもありました。天に栄光、地に平和。それはイエスの登場により全人類へもたらされるものでした。イエスの十字架の救いは、エルサレムから全世界へ拡がるからです。

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