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なぜSteam Deckは発売前に次世代機の開発を決めたのか

こんばんは、福田達也です。

昨日に引き続き趣味のお話で、Steam Deck関連のニュースです。

前回までのお話はこちら。

昨日発売されたばかりのSteam Deckですが、なんと既に次世代機の開発が決定したとのことです。

今回の報道を受けて思ったことなどを書いていきたいと思います。


最上位バージョンの人気が開発を決定づけた

Steam Deckは以下のように3バージョン販売されていて、値段については最大で1.5倍以上の差(250USD≒約29,000円の差)がありますが、ゲーム内での差はありません。

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にも関わらず、Steam Deckのうち、最も高価なモデルが「圧倒的な」人気を集めたことが今回の後継機の構想の理由の1つのようです。

Valveが後継機を構想した理由の1つは、Steam Deckのうち最も高価なモデルが圧倒的な人気を集めたことから、もっと馬力のある「より高価なバージョンが求められている」と判断されたためです。

もう一つの理由は、ユーザーに対して、より携帯ゲーム機に特化した体験を提供したいと考えているだろうとのことです。

もう1つの理由とされているのは、同社が携帯フォームファクターをさらに活用する方法を見据えていることです。すなわちデスクトップPCにはない新たな機能を備えた、よりパワフルなポータブルPCゲーム体験をユーザーに提供したいと示唆されています。

ユーザーのニーズが想定以上に広かった

ここからは、今回の報道を受けての所感です。

なぜ、Valveは1号機発売初日にも関わらず、既に後継機の開発を決定したのか?それはユーザーのニーズがValveの想定以上に広かったからだと考えられます。

Valveは以前にも2013年にもゲーミングPCの企画を提唱したことがありましたが、当時はソフトとハードを一体化した設計ができていなかったこともあり失敗。ゲーミングPCにかける思いは燻った状態になっていました。

しかしValveがSteam Deckを発表した当初、開発を決定した理由は中国のGPD社など、ゲーム用の超小型ハンドヘルドPCを販売するメーカーが増えてきており、市場が成熟してきた頃でした。

当時は互換性やゲーム実行性能など課題が多かったことから立ち消えに近いかたちになりましたが、Valveの親玉ゲイブは失敗から学んだ点として、ソフトとハードを一体化した設計ができなかったこと、OSもハードも完成度が低いまま推進したことなどを挙げていました。

このように純正 Steam ゲーム機を作りたいという思いと、携帯型PCゲーム機市場が成熟してきた背景から1号機の開発を開始しました。

一方で、恐らくですが、市場の携帯型PCゲーム競合機がすべからく15万円以上の高価格帯であったこと、そして一般の携帯型ゲーム機市場の最大のライバル機であるNintendo Switchが$350USDであったことから、$400USD以下の定格帯でのゲーム体験を求めているユーザーが多数であろうという想定であったと思います。

ところが蓋を明けてみると、圧倒的な人気を得たのは$650の最上位機種。すなわち、ユーザーはNintendo Switchを競合とする携帯ゲーム機の一つというよりも、公式のメーカーによる純正のゲーム体験が手軽に扱える事に価値を感じ、そのためなら高価であることを厭わないという事が明らかになりました。

だからこそ、安価であることを目指した1号機ではなし得なかった、よりハイエンドのゲームをも楽しめる「高価な」ゲーム機の開発を決定したのでしょう。

まとめ

Steam Deckが既に次世代機の開発を開始していることについて、思ったことをつらつらと書いてみました。

実際に製品開発や事業を進めていると、思っても見なかったところにユーザーニーズが現れてくるものです。そしてそれは、実際に形にして出してみないとわからないものだったりすることがあります。

今回の件も、仮説を立てて、実際に製品を作り販売したからこそ、ユーザーニーズがより大きかったことが分かったのだと思います。自分もまずやってみる、をモットーに行動し続けたいものです。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできるのを楽しみにしています。

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